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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.96

メンバーシップ型からジョブ型へ、さらにその先の働き方へ

働き方改革が、規模を問わず企業にとって重要な経営課題になってきています。
個人にとっても、自分の働き方・生き方、雇用制度に対して、視野を広げたり、深く考える場面が増えているのではないでしょうか。

さて、みなさんは、日本の伝統的な雇用制度である「メンバーシップ型雇用」と、欧米で主流となっている「ジョブ型雇用」の違いについてご存知でしょうか。

今回はこのふたつの雇用の形について紹介しようと思います。


【メンバーシップ型雇用とは―】

メンバーシップ型雇用とは、人に仕事を割り当てる雇用の形式で、日本独自のスタイルです。
日本企業ならではの「年功序列」「終身雇用」「新卒一括採用」などの制度が前提となっており、

・具体的な能力は採用基準にならず、入社後に手厚い社員教育を受ける
・労働者は、職務範囲や労働時間、勤務地は限定されない
・必要であれば職務範囲外の仕事も行い、残業が発生する場合もある
・会社都合の転勤や転属、残業がある
・勤続年数が長いほど給与が上がる
・労働者は労働法によって守られ、明確な理由がなければ解雇されない

といった特徴があります。


【ジョブ型雇用とは―】

ジョブ型雇用とは仕事に人を割り当てる雇用のかたちで、日本以外の多くの国で導入されているもので、

・欠員が発生した場合に採用を行う
・職務や勤務地、労働時間などを明確に定めて雇用契約を結ぶ
・その職務に対する能力が採用基準になるため、企業側に教育を行う義務はない
・能力に応じた職務給が支払われる
・職務が限定されているので現職でのキャリアアップは難しい
・業務がなくなったなどの企業都合で解雇が行われることがある

といった特徴があります。


【今後の日本の雇用は―】

もちろん、メンバーシップ型、ジョブ型のいずれの雇用形式にも、メリットもあればデメリットもあります。

ただ近年の日本では、年功序列や終身雇用などメンバーシップ型雇用の前提条件が揺らいでいますし、
この日本の伝統的な雇用制度が、正規雇用と非正規雇用、男性と女性、あるいは年齢による所得格差を生んだことは否定できません。
働き方改革を進める上で、メンバーシップ型雇用が改革の妨げになるという見方もありますから、今後は日本の雇用もジョブ型にシフトするとみられています。
さらには、テクノロジーの進化に後押しされて、ジョブ型、メンバーシップ型に次ぐ新しい働き方も模索されています。

令和の時代は、人々の働き方が大きく変わるターニングポイントになるのではないでしょうか。

転職活動についても、環境の変化をいち早く捉えて効果的な一手を打つとともに、あなた自身がどんな働き方、生き方をしたいのか、深く考える必要があるといえるでしょう。

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