転職百科

フォーラムキャリア転職百科>バックキャスティング思考でいこう

ワーク・ライフの傾向と対策 vol.95

バックキャスティング思考でいこう

最近、「バックキャスティング」という言葉をよく目にしまませんか?

バックキャスティングとは、未来の姿を描き、そこを起点に今何をすべきかを考える思考法です。いわば未来から現在に逆算をしていく方法です。
これまでのやり方や考え方では答えが見つからない問題を議論したり、大きな変化やイノベーションを生み出したりするためには、バックキャスティング思考が有効だといわれています。

これと対になる思考法が「フォアキャスティング」で、過去の統計や現在の状況から未来を検討するというものです。
この思考法をベースにすると、現状を踏まえた実現可能なアイデアは出てきますが、抜本的なアイデアは生まれにくいと考えられています。

政策やビジネスでの長期ビジョン策定に使われることが多いバックキャスティング思考法ですが、最近はSDGs(Sustainable Development Goals :持続可能な開発目標)に関するキーワードとして注目されています。日本でもSDGsに取り組む自治体や企業が増えているのでご存知の方も多いと思いますが、SDGsの実現にはバックキャスティングが欠かせないと言われています。

さて、企業経営や環境問題、社会問題の解決だけなく個人のキャリアプランにおいてもバックキャスティングの考え方を取り入れてみる価値は大いにあります。

ためしに、自分自身の10年後のキャリアプランを考えてみましょう。


フォアキャスティングをベースにした場合は、

●過去の学歴、経歴、経験
●現在持っているスキルや資格

といった過去と現在の資源を中心に考え、その延長線上に未来の自分を考えます。


これに対し、バックキャスティングでは、まず

●10年後にどのような自分になっていたいか
●10年後どんな仕事をしていたいか

を明らかにします。
そこで見えてきた「なりたい自分」が持つ能力・スキルと、現在の能力・スキルと比較することで、「ギャップ」が明確になります。このギャップを埋めるキャリアプランを立てるわけです。


フォアキャスティングとバックキャスティングは、二者択一で、必ずどちらかを選ぶというものではありません。どちらが正解ということもありません。
ただ、「なりたい自分」に確実に近づくためには、未来からの逆算で今のキャリア形成の意思決定を行うという姿勢は非常に重要です。

バックキャスティング思考は、「なるようになる未来」を待つのではなく、自分が決めた「なるようにする未来」をつくっていく姿勢だとシンプルに解釈することができます。
転職に際しても、ぜひ意識していただければと思います。

一覧に戻る >

pagetop