ワーク・ライフの傾向と対策 vol.93
「何のために働くのか」と聞かれると、多くの人は「お金を稼ぐため」と答えるでしょう。それはもっともなことです。
そもそも労働の目的は、労働の対価として収入を得ることです。生活をしていくため、家族を養うため、何をするにしてもお金は必要になります。
しかしお金がすべてかといえば、そうではないはず。お金のためと、それ以外の“何か”のために、私たちは働いています。
内閣府が毎年発表している「国民生活に関する世論調査」では
◎働く目的は何か?
◎どのような仕事が理想的だと思うか?
◎収入と自由時間についての考え方
という質問項目が設定されています。
令和元年6月の調査ではどのような結果が出ているか見てみましょう。
【働く目的は何か?】
働く目的は何かという質問に対しては
「お金を得るために働く」56.4%
「生きがいをみつけるために働く」17.0%
「社会の一員として、務めを果たすために働く」14.5%
「自分の才能や能力を発揮するために働く」7.9%
という順に答えた人の割合が高くなっています。
年齢別では、「お金を得るために働く」と答えた人の割合は18~29歳から50歳代で、「社会の一員として、務めを果たすために働く」と答えた者の割合は70歳以上で、「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合は60歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっています。
【どのような仕事が理想的だと思うか】
どのような仕事が理想的だと思うかという質問に対しては
「収入が安定している仕事」60.5%
「自分にとって楽しい仕事」57.6%
「私生活とバランスがとれる仕事」44.5%
「自分の専門知識や能力がいかせる仕事」37.8%
の順になっています。
年齢別に見ると、「収入が安定している仕事」「私生活とバランスがとれる仕事」を挙げた人の割合は18~29歳から50歳代で、「自分にとって楽しい仕事」を挙げた人の割合は18~29歳、50歳代、60歳代で、「自分の専門知識や能力がいかせる仕事」を挙げた者の割合は40歳代、50歳代で、それぞれ高くなっています。
【収入と自由時間についての考え方】
収入と自由時間について、自由時間をもっと増やしたいと思うか、収入をもっと増やしたいと思うかを聞く設問では
「自由時間をもっと増やしたい」34.7%
「収入をもっと増やしたい」46.7%
「どちらともいえない」17.6%
という割合になっています。
何のために働くのかということは、人生の本質的な問いです。
「お金のため」「生活のため」ということは当然のこととして、その上で何を成したいのか考えることは、大切なことです。
一定の社会人経験を経て「転職活動」は、その絶好のチャンスです。
働くことの意味を、私たち一緒に考えていきましょう。
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