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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.92

ライフイベントとしての「転職」を考える

「それってストレスだよね」
「たまにはストレス発散しないと」

似たようなセリフは誰もが口にしたことがあると思いますが、それくらい「ストレス」というものは、仕事や生活の中に浸透しています。
ストレスを受けることで、体調をくずすだけでなく、気持ちが不安定になることは誰でも経験することです。

そもそもストレスとは何なのでしょうか。

厚生労働省では、

「ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。つまり、日常の中で起こる様々な変化=刺激が、ストレスの原因になるのです」

としています。

ストレスの度合いを測る測定法として有名なのが、米国の心理学者らが開発した『社会的再適応評価尺度』(Social Readjustment Rating Scale:SRRS)です。これは、人が人生において遭遇する出来事や生活の変化(ライフイベント)を43項目取りあげ、その出来事によって受けるストレスの重みを点数化したものです。

たとえば

○離婚:73点
○自分のけがや病気:53点
○結婚:50点
○新しい家族ができる:39点
○退職:45点
○仕事の変更:36点
○職場での責任の変化:29点
○妻が働き始める、辞める:26点
○生活条件の変化:25点
○住居の変化:20点

といった項目があり、各項目を自身に当てはめてチェックし、該当項目の点数を合計することで自分のストレスの度合いを評価します。

米国の研究では、1年間に体験した出来事の合計点数が150点以上の人のうち、50%は翌年に何らかの健康障害を訴えているそうです。300点以上の場合はこの割合が90%以上に上昇します。

就職、結婚、出産といった喜ばしいライフイベントも、実はストレスの原因になるという点は、気をつけたいところです。変化に富んだ楽しい生活を送っていても、自分も気づかないうちにストレスをためやすくなっているということです。

転職についても同じです。転職は、単に職を変えるというだけでなく、さまざまな変化を伴うものです。つまり、自分の希望どおりの大成功と言える転職であっても、ストレスの度合いは高まるのです。

漠然と転職を考える方から、「今転職してもいいのでしょうか?」「今が転職しどきが分かりません」といった相談を受けることがあります。
私は、基本的には、ご本人が思い立ったときが一番の転職しどきだとは思いますが、もしより計画的に転職を考えたいのであれば、転居や出産など、他のライフイベントと重ならないタイミングを選ぶといいでしょう。新しい仕事にも、パフォーマンスを十分に高めて取り組めると思います。

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