ワーク・ライフの傾向と対策 vol.81
フォーラムキャリアでも近年、女性からの転職相談が多く寄せられるようになりました。
特に40代以降で、しっかりした専門分野や経験を持ちながら、さらにキャリアアップしていきたいという方が多いです。
2016年には「女性活躍推進法」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が施行されており、転職を考えている女性にとって現在の社会の流れは追い風です。
さて、ここで、3人の働く女性の話をしたいと思います。
【入社1年目、女性現場監督のAさん】
Aさんは、建築工事の施工管理の仕事をしています。
その会社にとってAさんは初めての女性現場監督です。
工事現場で働く人は大半が男性ですから、大変だろうなと思ってしまいますが、Aさんによれば「職人さんは気を使って優しく接してくれる」ということですし、逆に「会社からは女性だからといって特別扱いはされていない」ということで、それがモチベーションアップにつながっているようです。
一方、現場ありきの仕事は、時間は不規則で体力的にハードです。
会社側は「今後、結婚・出産で現場に出られないということになれば、その間は事務のポジションで活躍してほしい」という方針です。
【入社2年目、経理系事務のBさん】
Bさんは、短大卒業後、メーカーの事務職として就職しました。
職場は8割が女性という環境です。育児休業や時短勤務制度など、女性が働きやすい制度・社風があり、女性の管理職も珍しくありません。
Bさんの直属の上司は3人の子どもの育児と仕事を両立させてキャリアアップしてきた経歴の持ち主で、Bさんも「自分もそうなりたい」と憧れています。
会社は優れた技術で海外進出もしているメーカーです。仕事も事務の中でも経理系の専門的な仕事なので、やりがいを感じています。
【入社15年目、設計職のCさん】
Cさんは、理系の学部出身で、機械設計の仕事をしています。
Cさんが入社した頃は、上を見ても横を見ても技術系の女性社員はCさんだけでした。しかし「女性だからこそ、いろんな技術を身につけて強みにするといい」と上司に背中を押してもらったそうです。
その後、2度の産休・育休を経て、現在は時短勤務で仕事と家庭を両立させています。
今後は後輩技術者の育成に携わるほか、仕事と育児を両立する女性技術者のロールモデルになりたいと考えています。
いかがでしょうか。
今回、こうした話を紹介したのは、女性が求める働き方と、女性が働く環境は、実に多様だということを知っていただきたかったからです。
働く意欲のある女性が会社に求めるものはさまざまです。
育児と仕事を両立させやすい制度・社風があるか、ジョブローテーションができるか、女性の管理職がいるか、専門的にスキルアップしていけるか…。
その観点が異なれば、ある人にとって◎の会社であってもは、別の人にとっては×かもしれません。正解はありません。
大切なのは「マッチング」です。
マッチングがうまくいけば、自分らしいキャリアを積んでいくことが可能になります。
今回はあえて女性としましたが、この視点は男性の転職についても同じだということは言うまでもありませんね。
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