ワーク・ライフの傾向と対策 vol.80
「社内ニート」という言葉を聞いたことはありますか?
なんとなく想像はつくかと思いますが、社内ニートとは会社に勤めていながらも
・出勤してもやることがない
・上司から仕事を回してもらえない
・毎日、時間を持て余してしまう
という状態に陥っている人を指します。
特に20~30代の若い世代に広まっています。
ネットを見ると「働かなくて給料がもらえるなんて羨ましい」「自分も社内ニートになりたい」などという声が一部で上がっていますが、とんでもありません。
本人は大きなストレスを感じていることが多いのです。
本来であればキャリアを積むべき重要な時期に、まったく仕事をさせてもらえない。
同僚が忙しそうにしている中で自分は蚊帳の外。
そんな状態は、毎日が辛いですし、将来が不安になります。
【社内ニートになる原因は】
社内ニートになる原因は、職場環境に問題がある場合と、本人に問題がある場合の2つが考えられます。
職場環境の問題とは
・新人教育に手が回らない
・管理職に適切に仕事を振り分ける余裕がない
・特定の業務を特定の人が担当しており、ノウハウや共有されない
といったことです。
本人の問題は
・仕事でミスが多い
・仕事のスピードが遅い
・主体性やコミュニケーション力に欠ける
といったことです。
個人的には、会社と本人どちらか一方が悪いというよりは、双方に問題があり、複合的に社内ニートが生じているように思います。
【社内ニートと窓際族の違い】
社内ニートと聞いて「窓際族」という言葉を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
窓際族とは、出世ラインから外れて閑職に追いやられた社員を指す言葉で、窓際の席でずっと新聞を読んだり、外をぼんやり眺めたりして時間を費やす光景から生まれた言葉です。
終身雇用制のもとでは、重大な過失がない社員を解雇することはできず、大企業ほど名ばかりの肩書を与えて実質的な仕事をさせない社員を抱えることになりました。その後、バブル経済が終わり終身雇用制が崩れると、企業は窓際族を雇っておく余裕がなくなり、早期退職を募るなどリストラが行われるようになりました。
社内ニートと窓際族は見た目は似てはいますが、その背景も世代も異なるわけです。
【社内ニートを脱出するためには】
社内ニートを脱出するためには、実務スキルを上げることはもちろん、自分から積極的に行動する、社内でのコミュニケーションを大切にする、といった姿勢が重要です。
ただし、いったん社内ニートに陥ってしまった人が、周囲からの信頼を取り戻すのはそう簡単なことではありません。また会社の組織的、構造的な問題が大きい場合は、個人の努力ではなかなか難しいものがあります。
「リセットしたい」という気持ちが大きければ、転職も有効な手段です。
転職先で再び社内ニートにならないよう、私たちキャリアコンサルタントがしっかりとサポートし、一人一人に合った転職を提案します。
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