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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.77

転職先企業の実態と本音【2】

前回に引き続き、厚生労働省の「平成27年転職者実態調査」の結果をもとに、中途採用の求人や転職者受け入れに関わる企業の実態と本音を探っていきます。


【転職者を採用する際の問題は―】
人手不足が指摘される環境下で、転職者を積極的に受け入れている企業が増えていますが、中途採用を行う上で、何か問題はあるのでしょうか。

企業に対して、転職者を採用する際の問題の有無を聞く設問では、「問題がある」とする事業所割合が 82.0%となっています。

具体的に何が問題かというと

「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」64.1%
「採用時の賃金水準や処遇の決め方」39.2%
「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」34.2%

となっています。

日本では長く、学歴中心の新卒一括採用、年功序列、終身雇用が一般的でしたから、処遇決定やスキル評価の面で、転職者の受け入れ体制が整っていないことが多いようです。


【転職者の教育は―?】
転職者に対する教育の実施状況をみると「実施した」事業所割合が 74.4%となっています。

内容は「計画的なOJT」が 80.1%、「入職時のガイダンス」が 44.1%、「職務遂行に必要な能力・知識を付与する教育訓練」が 34.2%となっています。
中途採用は、即戦力となるスキルや経験がある前提での採用がメインですが、第二新卒や若年層の転職が増加している現在は、社後の教育研修が欠かせないという意識が浸透しているようです。


【今後の転職者の採用予定は―?】
転職市場は、今後も活発な状況が続くことが予測されています。

企業に今後の3年間の転職者の採用予定の有無をたずねる設問では「転職者を採用する予定がある」とする事業所割合は 52.6%となっています。
産業別にみると、「情報通信業」が 70.5%で最も高く、次いで「生活関連サ-ビス業、娯楽業」が 65.5%、「運輸業、郵便業」が65.1%となっています。

さらに「転職者を採用する予定がある」企業について、新規学卒者との優先順をみると、「転職者を優先して採用したい」という意向(33.2%)が、「新規学卒者を優先して採用したい」(12.2%)を上回っています。

採用予定の転職者の職種では「専門的・技術的な仕事」とする事業所割合が最も高くなっており、転職者のスキルや経験への期待は高まっているといえるでしょう。


2 回にわたって、企業の中途採用に関するデータを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
次回のブログでは、視点を変えて転職者の実態と本音について探っていきたいと思います。 一覧に戻る >

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