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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.75

「多様な正社員」って、どんな正社員?

これまでの「正社員」は、フルタイム・転勤あり・異動ありを前提とした、いわゆる総合職採用でした。しかし今は、女性の社会進出、育児や介護との両立、ワークライフバランスの重視など多様な働き方が求められる時代です。雇用期間に定めはないものの、職種や勤務地、労働時間を限定した、多様な正社員の在り方が模索されています。これが「多様な正社員」です。「限定正社員」と呼ばれることもあります。

多様な正社員には、以下のようなものがあります。

【勤務地限定正社員】
転勤するエリアが限定されていたり、転居を伴う転勤がなかったり、あるいは転勤が一切ない正社員
例:全国転勤のない営業職、 限定された店舗で働く販売スタッフ

【職務限定正社員】
担当する職務内容や仕事の範囲が他の業務と明確に区別され、限定されている正社員
例:ディーラー、ITエンジニアなど特定の職務のスペシャリスト

【勤務時間限定正社員】
所定労働時間がフルタイムではない、あるいは残業が免除されている正社員
例:短時間勤務(1日6時間程度)の事務職


では「多様な正社員」を導入することで、企業側、労働者側それぞれにどんなメリットがあるのでしょうか。

<企業のメリット>
・育児や介護などの事情で転勤やフルタイム勤務が困難な従業員の離職を防止できる。
・非正規雇用からの転換の受皿として活用できる。
・地元に定着した就業を希望する人材の採用や定着促進につながる。
・地域のニーズに合ったサービスの提供や地元の顧客確保が可能になる。
・高度で専門的な職務に当たる人材のキャリア形成が可能になる

<労働者のメリット>
・勤務地や残業時間をコントロールでき、ワークライフバランスの実現が可能になる。
・安定した雇用のもとで、モチベーション高く働ける。
・中長期的なキャリア形成を見据えたスキルアップが可能になる。
・特定の職務のスペシャリストとしてキャリアアップが可能になる。
・育児や介護と両立してキャリアを継続できる。


まとめると、企業にとっては「優秀な人材の確保」「従業員の定着」が可能になり、労働者にとっては「仕事と育児や介護の両立」「ワークライフバランスの実現」が可能になるという点が、大きなメリットだと言えます。

厚生労働省によれば、現在「多様な正社員」を導入・運用している企業は約5割に達しているそうです。

今後は転職市場も「A社の正社員からB社の正社員へ」というストレートなものから、より多様なものになるでしょう。
また、これまで家庭の事情等でフルタイム・転勤ありの正社員として働くことは難しいと考えていた方にも門戸が開かれます。

私たちフォーラムキャリアのコンサルタントも「多様な転職」のサポートに力を入れていきたいと考えています。 一覧に戻る >

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