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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.69

その「ご縁転職」、大丈夫ですか?

「今の会社辞めたいの?だったらウチの会社に来ない?」
「ウチの会社、人を探しているんだ。良かったら話だけでも聞きに来ない?」

このブログを読んでいただいている方の中には、お知り合いの方からそんな誘いを受けたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

知り合いの誘いや紹介をきっかけに転職する「ご縁転職」は、そう珍しいことではありません。
転職者にとっても悪くない話です。知人を介しての紹介なので安心できますし、転職活動にかける手間や時間が省けて手っ取り早いというメリットもあります。

しかし、気を付けたい「落とし穴」もあります。

「知人を介しての紹介なので安心」と言いましたが、実はここが問題なのです。
事前に知り合いからの話は聞いていても、会社に対して重要な事項を確認せず転職し、後悔する結果になることが少なからずあるからです。

中でも多いのは、間に立ってくれた知人に遠慮する気持ちが働いて、給与面や休日など、待遇面を確認しないまま入社する、というケースです。「お金や休みについて聞くと印象が良くないのでは…」と気を使ってしまう日本人ならではのことかもしれません。

また、どこで話が食い違ったのか、いざ入社すると事前に聞いていた業務と違う業務を任されるケースもあります。こうなると、せっかくのキャリアを生かせず、会社からの評価ももらえず、さらに誘ってくれた知り合いとの人間関係にもひびが入ります。

もっと深刻なケースもあります。
私の身内が体験した「ご縁転職」の顛末を紹介しましょう。

技術者として働いていた彼は、そこで2年上の先輩だった男性の誘いで、その男性が転職した会社に自分も入社しました。転職先は創業間もないベンチャー企業でしたが、何より「先輩が誘ってくれる会社」ということが安心材料となり、転職を決意したといいます。

ところが、です。

彼が入社してから数か月後、その先輩は、会社の方針が合わないということで、自ら願い出て退社します。それは仕方がないことだったのかもしれませんが、その後、会社の経営は急激に悪化します。事業の方向性も変わり、彼も技術者の職域を超えた業務を担わざるを得ない状況になりました。それから間もなく、その会社は解散となりました。
幸いなことに彼はスムーズに再就職できましたが、落とし穴は落とし穴でも、かなり深いものでした。

もちろん、すべてのご縁転職にリスクがついてまわるわけではありません。中には本当にいいご縁で、求職者の希望やキャリアと企業の要望がぴたっとマッチすることもあります。

ただ、より安心してスタートを切りたいのであれば、ご縁だけに頼らず、業界に詳しい第三者の客観的な判断やアドバイスを求めるといいと思います。
あるいはご縁転職と並行して、転職のプロである我々転職エージェントを利用していただくのも、選択肢を広げるという意味で有効な手段かと思います。ぜひ一度、ご相談ください。

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