ワーク・ライフの傾向と対策 vol.68
前回のコラムでは、求職者さんの質問を受けて「営業は、利益を生み出す重要な職種であり、つぶしがきく職種の代表格だと言える」とお話ししました。
転職サイトやハローワークで求人情報をチェックすると、営業の求人件数は非常に多いことにお気づきになると思います。不況下でも営業職の求人は途切れることはないのですが、今は特に引く手あまたの状況です。
ところで皆さんは、営業という仕事にどんなイメージをお持ちでしょうか。
毎日飛び回っている、ノルマがきつい、テレアポや飛び込みが大変そうというネガティブなイメージと、いろんな土地に出かけいろんな人に出会える、達成感がある、結果を出してその分の報酬を得る、といったポジティブなイメージと、両面あると思います。
実はこれ、捉え方の問題なのです。たとえばノルマを重荷と捉えるのか目標と捉えるのか、あるいは、人と話すことが苦手なのか得意なのかで、「営業」に対するイメージは180度変わってくるわけです。
では、営業職に適した人は、ノルマという目標を超えていけるパワフルな人、人と話すのが得意なコミュニケーション能力の高い人だけなのかというと、そうではありません。
営業はどんな業界、どんな会社にも欠かせないため、実に多様な仕事の仕方があります。
たとえば「対象顧客」の違いがあります。顧客が法人か個人か、いわゆるB to B営業、B to C営業ですね。これは同じ営業でもマーケティング手法や顧客との関係づくりの仕方が全く異なります。すなわち、求められるスキルが違うということです。
「営業スタイル」の違いで見ると、新規開拓かルートセールスかという分類ができます。
前者はこれまで取引のなかった個人や法人向けに営業活動を行います。後者は既に取引のある企業を訪問して、フォローや新しい提案を行うことが主な業務になります。数字を出して稼ぎたいという人は新規開拓がいいでしょうし、精神的な負担なく営業に取り組みたい人はルートセールスがベターでしょう。
「商材」の視点では、扱う商材が有形なのか、無形なのかという分け方ができます。工業製品や住宅、食品などが有形商材の代表です。無形商材にはITシステム、金融、広告、人材サービスなどがあります。ここは個人の好みが表れるところですが、有形にしろ無形にしろ「自分がいいと思うものを勧めたい」というのは営業職の本音だと思います。
「内勤・外勤」という分け方もできます。内勤営業は来店した顧客や電話・メールでの問合せに対応するスタイルで、旅行代理店、保険代理店が典型的です。最近はそれ以外の業種でも、電話やメールを使って非対面で効率的に営業を行うアプローチも注目されています。一方の外勤営業は、客先を訪ねていく、いわゆる外回りの営業スタイルです。
これらの分類は一例で、他にも「チームプレーか、個人プレーか」「直販か、代理店管理か」などの違いもあり、営業という仕事のスタイルは千差万別です。また「公共性が高く社会貢献につながる」「インセンティブが充実していてしっかり稼げる」など、どんな点でやりがいを得られるのか、という視点もあります。営業職を希望する求職者の選択肢は、非常に多いと言えます。
このように、転職活動において単純に「自分はトーク上手じゃないので自分は営業向きじゃない」と考えていらっしゃる方も、実は適した職場・業界は見つかるものなのです。
先入観や思い込みを持たずに、少しでも営業職への転職に興味のある方は、私たちにお気軽にご相談ください。
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