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ワーク・ライフの傾向と対策　vol.65

人生の節目に出かける「転職旅行」

2月から4月初めは、学生の卒業旅行のシーズンです。

第一線で仕事をされている方なら、海外旅行など長期の旅行に出かけたのは卒業旅行、もしくは新婚旅行以来、というのが普通でしょうか。
社会人はまとまった休みを取りにくいもの。かといってゴールデンウィークやお盆休み、年末年始は、仕事はオフでも旅行シーズンとしてはピークなので、費用がかさみます。

オフシーズンのお得な旅行は学生とリタイア層の特権、と思われるかもしれませんが、実は世の中は変化しています。

【転職のインターバルに出かける「転職旅行」】

「転職旅行」という言葉をご存知でしょうか。

これはその名が示す通り、今の仕事を辞め、次の企業に入社するまでのインターバルに行く旅行を指しています。
世界最大の旅行口コミサイト「Trip Advisor」の日本法人の調査によると、「転職経験者の3人に1人が転職旅行を経験しており、年間の総転職旅行者数は100万人以上」と推定され、その市場規模は「1290億円」という試算が出ています。

出典:トリップアドバイザー「転職旅行」

転職旅行のメリットはいくつもあります。
たとえば―

◎長期休暇をとれる
社会人になると、まとまった休暇を取得することは難しいものです。その点、転職の移行期間は、遠出・長期での旅行に出るまたとないチャンスだと言えます。

◎余暇を楽しむことに専念できる
有休を取得しての旅行は、なんだかんだと気持ちの切り替えができないものです。残してきた仕事が気になりますし、今の時代、メールやスマホでお客さんからの連絡が追いかけてくるかもしれません。退職後の移行期間であれば、仕事を気にせず、旅行そのものを思いきり楽しむことができます。

◎閑散期に旅行ができる
前述したように、お盆の時期や年末年始は、旅行のピークシーズンです。料金は高い上、人気の観光地や交通機関は軒並み混雑します。転職旅行であれば、閑散期の格安旅行もねらえますし、そうでなくても平日を利用したリーズナブルな旅行が可能です。

【転職旅行には、仕事へのメリットもある】

転職旅行には、仕事目線でのメリットもあります。
それは「自分を見つめ直す機会になる」ということです。

転職は人生の大きなターニングポイントです。このタイミングに、広い世界を見て刺激を受け、異なる文化と接したり、いつもと違う時間を過ごしたりすることは、自分を見つめ直し、心機一転、心の持ちようをリセットする上で、大きな意味があると思います。

ただし！
転職旅行をポジティブに楽しむためには、その後の見通しをしっかり持っておかなければなりません。すなわち、計画的に転職活動を行う必要があるということです。
特にご家族がいる場合は、きちんと転職の見通しが立っていることを示し、めったにないチャンスを有意義に過ごすための旅行であるとの理解を得ることが重要です。また、退職から転職先への入社までのスケジュールを調整する必要もあります。

転職を計画的に、確実に進めるという点では、私たち転職エージェントをぜひ頼ってください。

卒業旅行は卒業というゴールを祝うものですが、転職旅行は退職というゴールではなく、次の就職というスタートを意識したものであってほしいと思います。

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