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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.64

「専門職大学」の設置に思うこと

昨年末のニュースになりますが、2019年開設予定の「専門職大学」に、全国で13校が設置認可を申請したそうです(「専門職短期大学」は3校)。

専門職大学は、2017年5月の改正学校教育法の成立で制度化されました。大学制度に新たな教育機関が加わるのは、1964年の短期大学の創設以来55年ぶりだとか。

専門職大学の設置は、「幅広い教養と実践的なスキルを兼ね備えた人材が欲しい」との産業界からの要望を受けてのものだといわれています。従来の「大学」では、比較的、学問的色彩の強い教育が行われてきました。これに対して専門職大学は、大学レベルの知識と実践的な職業能力をバランスよく培う教育に特徴があります。またカリキュラムは産業界と連携して編成されます。
なお専門職大学を卒業すると、大学で与えられる学位と同等の「学士(専門職)」が授与されます。

認可申請のリストを見ると、学びの内容は、医療、福祉、経営、情報、デザイン、食などとなっています。場所は東京、大阪、神奈川、愛知、京都、石川、島根、岡山、高知、福岡、静岡と、首都圏を中心に全国から申請があるようですね。

【専門職大学を通じて見えてくる「今、企業が求める人材像」】

さて、ここで注目したいのは、産業界では「現場の技術だけでなく、マネジメントができ、経営の視点が持てる人材」「理論に裏付けされた技術力を持ち、新たなモノやサービスを創り出せる創造力を有する人材」が求められているという背景です。
これは新卒人材だけでなく、中途採用の転職者にも共通して期待されることではないでしょうか。

新入社員時代を思い出してください。
大学で学んだ知識や理論は、特に文系の場合、実際の業務には「ほとんど使えない、使わない」ということが多かったと思います。
かといって、「とにかくやってみる」というスタンスでは近視眼的ですし、勘や経験だけに頼って走るだけでは、個人としても組織としても成長は望めません。

まさにその点に踏み込んだのが専門職大学で、大学レベルの知識・理論と実践的な職業能力の両方をカバーする教育に重点を置いているわけです。

【理論と実践のバランスの良さが転職組の強み】

新卒採用者と中途採用者を比べた場合、理論と実践のバランスに優れているのは後者です。
たとえば、マーケティングに関する理論や知識は、知っていることは大事ですが、実際のビジネスシーンではそれを現状に即したかたちで実践に移し、さらに結果につなげることが求められます。
理論と実践力をバランスよく備えた人材が特に活躍できるのが、プロジェクトチームの運営です。自分の意見と他者の意見を上手に融合させていくチームワーク力や、多彩な個性やバックグラウンドを持ったメンバーをまとめていくリーダーシップを発揮できるからです。

専門職大学の設置だけではありません。既存の大学もインターンシップやキャリア教育に力をいれている時代です。それでもリアルな、そして高度な現場経験は、社会人経験がある転職組の大きな強みです。

あなたの強みを最大限にアピールして、転職を成功させましょう。

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