ワーク・ライフの傾向と対策 vol.54
外資系企業と日本企業の特徴的な違いは―?
産業のグローバル化が進み、経済産業省のデータによると2011年ごろから毎年70~100社の海外企業が新規参入しているそうです。新潟市などのように、外資系企業の誘致に力を入れている地方自治体も少なくありません。ひと昔に比べると、外資系企業で働くことはそれほど珍しくなくなってきています。
外資系企業には「自由」「給与が高い」といった良いイメージがあると思います。転職市場においても「外資で働きたい」というニーズは少なからずあります。ただし転職後、企業文化にスムーズになじみ、活躍している方がいらっしゃる一方、何となくのイメージで外資系企業を選んだ結果、「想像していたのと違う」と悩む方もいらっしゃいます。
外資系企業への転職を検討する際には、まず外資系企業と日本企業の一般的な違いをおさえておくことが大切です。
両者の特徴的な違いを簡単にまとめると以下のようになります。
【外資系企業】
◎即戦力となる人材を採用する傾向がある
◎パフォーマンスに応じた評価制度がある
◎個人を尊重する
【日本企業】
◎社員を大切に育てる風土がある
◎終身雇用を前提とした年功序列の評価制度がある
◎組織を重視する
こうした違いが生まれる背景としては、「働くこと」に対する考え方が異なるということがあります。日本では会社に勤めて仕事をするという考え方が浸透していますが、海外では仕事に就いて会社に所属するという考え方が主流なのです。
外資系企業ならではの企業風土、働き方は―?
ここからは外資系企業にフォーカスして、日本企業にはない特徴を紹介します。
【転職がキャリアアップにつながる】
特に欧米では、今の仕事が今後の自分のキャリアにどう役立つかを常に意識しながら、転職を重ねてキャリアアップしていくスタイルが定着しています。すなわち、各企業では人の入れ替わりが激しく、採用面では即戦力が求められ、個々のスキルが重視されるわけです。成果が出せない社員はあっさりリストラされてしまうこともあり、厳しいようにも感じますが、効率的に利益を生むためのわかりやすい仕組みだとも言えます。
【成果に応じた評価制度を設けている】
常に優秀な人材を確保するためにも、成果に応じた評価制度が設けられています。勤務年数ではなく成果が給与や人事に直結します。能力があれば、若くても重要なポストに就けるわけです。
【ライフワークバランスが定着している】
外資系企業の多くは、仕事とプライベートのバランスを重視し、勤務時間や休暇については柔軟です。そのため社員は「いかに効率よく仕事をこなすか」を念頭に置いて働き、定時に帰社する人が多数を占めています。
外資系企業に転職して活躍できる人は―?
このように外資系企業の特徴を見ていくと、「キャリアアップを重視する方」「プライベートを重視したい方」が活躍できる環境があることが分かりますね。逆に「安定を求める方」には、外資系企業はあまりおすすめできません。
もちろん、外資系企業とひとことでいっても、100社あれば100通りの社風があり、業界や会社の規模、職種によっても働く方はさまざまです。各企業の特徴と自身の価値観を照らし合わせて、ベストの選択をしましょう。
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