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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.53

介護Uターンを考える

介護を意識したUターンが増えています 大学進学で地元を離れて東京に行き、卒業後はそのまま東京で就職。結婚して子どもに恵まれ、何となくそのまま働いているけれど、時折「このままここで生活していいのか」と考える―。そんな人は、あなただけではありません。 生まれ育ったふるさとには両親や親戚がいますし、幼なじみもいます。自分の子ども時代のことを思い出すと、我が子も豊かな自然環境の中でのびのびと遊ばせてやりたいという気持ちも湧いてくるでしょう。

最近は、両親の介護をするため、あるいは今は両親ともに元気だけれど、将来的なことを考えて地元にUターンする人も増えています。
では思い立ったらすぐ親元に戻ったほうがいいかというと、一概にそうは言えません。
「せっかく築いてきたキャリアを今中断するのはもったいない」
「都会の快適で刺激的な生活を楽しんでいるのに…」
などと迷う気持ちの方が大きいのであれば、差し迫った理由が発生しない限り慌ててUターンする必要はないのではないでしょうか。
早急にUターンを決めると「東京時代は仕事もプライベートも充実していたのに…」と、のちのち後悔のタネになってしまう可能性は小さくありません。

早すぎず遅すぎないUターンで後悔しない転職を Uターンを伴う転職に焦りと迷いは禁物です。
具体的な例を紹介しましょう。
ある40代の男性は、一人暮らしをしていた母親が入院したことをきっかけに、会社を退職して首都圏から地元の新潟に戻りました。ところがUターン後に考える時間もなく慌てて職探しをしたために、仕事内容や待遇に妥協してしまった部分が大きかったといいます。「もうすこし落ち着いて探せば、地元にも自分に合った仕事やもっと条件の良い会社があったのに」と後悔し、現在、転職エージェントに相談して再転職を検討中です。

先ほど慌ててUターンする必要はないと言いましたが、逆に言えば、慌ててUターンしなければいけない事態に陥る前に、Uターン転職についてじっくり考えておくことが重要だということです。地元の企業情報や求人動向については、家族や地元にいる友人を頼って事前に集めてもらうといいでしょう。Uターン転職に強い転職エージェントを利用するのもおすすめです。最近はSkypeなどでの面談も可能ですので、「遠距離転職活動」も十分可能です。

転職活動以外では、自分の気持ちを整理することはもちろん、家族の理解を得るための時間が必要です。また、住まいはどうするか、子どもの学校はどうするか、親の介護が必要になったら自分に何ができるか、どんなサポートを利用するかなど、将来の具体的な生活を頭の中で組み立ててみることも重要です。そうすると、早すぎず遅すぎない、あなたに適したUターンのタイミングが自然と見えてくるのではないでしょうか。
実際には、両親が元気なうちにUターンし、仕事を含めて生活基盤をしっかりさせておくというのが理想かもしれませんね。
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