ワーク・ライフの傾向と対策 vol.48
国勢調査の結果から、国内の人口増加自治体(平成 17 年~22 年)をピックアップすると、上位30以内に沖縄県中城村、富山県舟橋村、鳥取県日吉津村と、3つの「村」がランクインしています(東京都を除く)。村というと、イコール高齢化・過疎化が進んだ田舎をイメージしてしまいますが、これらの村はちょっと事情が違うようです。
11位にランクインしている沖縄県中城村の人口増加率は11.9%です。村といっても大きく、全国で2番目に大きい村です。もともと移住者が多く、人口が増えている沖縄にあって、中城村は都市部から少し離れている分、自然が豊かでちょうどいい立地。特に高台にある上原エリアは、近年学校や病院などが整備され、移住人気が高まっています。
15位の富山県舟橋村は、面積が3.47平方キロという、日本で最も面積が小さな村です。11.0%という高い人口増加率はもちろん、2010年の国勢調査によれば、総人口約3000人に占める15歳未満人口の割合が21.8%と、子どもの多さも目を引きます。村活性化のため駅舎に図書館を併設した取り組みが有名で、主に富山市のベッドタウンとして子育て世代の転入が増加しています。
29位の鳥取県日吉津村の人口増加率は8.7%です。近年、近隣都市への通勤が可能な立地に集合住宅が新築されたことや、大型ショッピングセンターがあることから、若い世帯の転入が進み、人口減が続く鳥取県にあって、唯一ゆるやかに人口増を続けています。これを後押しするのが、村が平成26年度から「日吉津版ネウボラ」として開始した、妊娠期から切れ目のない子育て支援です。
他の自治体にない個性や魅力を発揮する「村」。地方の過疎化・高齢化が問題になっている中で、希望の星だと言えるのではないでしょうか。
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