ワーク・ライフの傾向と対策 vol.29
最近、大企業を渡り歩いて経営企画の業務に関わっていた方から、地元である福井県にUターンして転職したいとの相談を受けました。
なぜ転職を考えるようになったかというと、「大企業での経営企画業務は、経営計画の策定から管理、各種調査分析、各事業部門との調整など細かくセグメント分けされており、自分はほんの一部分しか担当したことがない。そのためイチから自分自身ですべて手掛けられる中小企業で結果を出し、やりがいを実感したい」とのことでした。
大企業で経営企画という重要なポジションに就いていても、本当の意味での仕事のやりがいを得るのは難しいものだなと実感しました。
転職市場においても当然、大企業は人気が高く、倍率は高いです。給与が高いということもありますし、誰もが名前を知っている会社で働けることは嬉しいものです。
ただし、そのことと、仕事にやりがいや面白味を感じられるかどうかは別です。決まりごとが多く、思ったような仕事ができないかもしれません。一人ひとりが全体に与える影響はわずかで、自分の役割に疑問を持つこともあるかもしれません。
一方、中小は大手ほどの給与や福利厚生は望めませんが、風通しよく、柔軟に働けますし、社員一人ひとりが採算意識を高め、経営者マインドを持って働く環境があります。
転職するにあたって「首都圏の大手企業と地方の中小企業は、どちらがいいですか?」と質問を受けることが少なからずありますが、どちらが良い悪いということはないと思います。
ただ転職という転機は、働くということは「就職」することなのか、はたまた「就社」することなのかを考えるいい機会であることは間違いありません。
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