ワーク・ライフの傾向と対策 vol.17
「職住近接」という言葉があります。読んで字のごとく職場と住居が近接していることを指します。
田畑を耕して自給自足をしていた時代は、両者は一致していましたが、現代社会では働く場と暮らしの場が切り離されていることがほとんどです。大都市ではオフィス街と住宅地が分化しながらそれぞれ拡大し、通勤ラッシュの電車に揺られて長時間通勤・遠距離通勤を余儀なくされているサラリーマンが少なくありません。これでは仕事以前に、電車に乗るだけでストレスが溜まってしまいますよね。
2008年の総務省統計局の調査によれば、サラリーマンの通勤時間を都道府県別にみると、神奈川県が49.4分と最も長く、次いで千葉県が47.9分、埼玉県が45.7分、東京都が44.0分、奈良県が43.5分となっており、東京都とその隣接県で特に通勤時間が長いことが分かっています。
一方、通勤時間が短いのは、17.5分の宮崎県をトップに、18.1分の島根県、18.6分の愛媛県、18.9分の鳥取県・鹿児島県が続きます。自宅から20分もかからず職場に行けるなら、朝も多少はゆっくり寝ていられるかもしれません。
職場と自宅の距離を縮めることの最大のメリットは、家族団らんや余暇に充てられる時間的なゆとりが生まれることです。どんなに高い収入を得ていても、時間を買うことはできません。職住近接ライフスタイルの実現は大都市では難しいかもしれませんが、地方都市であれば十分に可能です。
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