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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.164

「平均勤続年数」の見方

「平均勤続年数」の見方

企業のホームページやパンフレットなどで、「数字で見る当社」というような切り口のページを見かけることがあります。
売上、市場シェア、業界ランキング、拠点数、従業員数、男女比、従業員の平均年齢、平均残業時間、有休取得率などなど、求職者がぱっと見て会社の規模や特徴、強みが分かるので、良いコンテンツだなと思います。

ただし数字だけ見ていても、それが良いのかそうでもないのか分からないこともあるでしょう。
今回はこうした企業にまつわる数字のうち、「平均勤続年数」について深掘りして解説したいと思います。

平均勤続年数は、「在籍している社員の勤続年数の平均」です。
一般的に、平均勤続年数が長ければ安定して長く働ける優良企業、短いと人が辞めていく何がしかの理由があるブラック企業、というイメージがあるのではないでしょうか。

ではその基準となる数字はどれくらいかというと、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表する資料によると、2023年の平均勤続年数(フルタイム労働者)は「12.4年」となっています。男女別では男性が「13.8年」、女性が「9.9年」です。
2020年以降は推計方法などが変更されているため、単純にそれまでの公表値と比較することはできないものの、2000年以降から長きにわたって平均勤続年数に大きな変化はなく、「12年前後」で推移しています。
こうしたことから、平均勤続年数が20年以上の企業は、経営が安定し、福利厚生がしっかりしており、ライフステージの変化を経て長く働ける企業だと捉えて差し支えないと思います。

一方で、平均勤続年数が短い企業は転職先として避けるべきかといえば、そうとは限りません。
創業して間もないベンチャー企業、スタートアップ企業は当然、社員の平均勤続年数が短くなります。
また歴史が長い企業でも、事業や業績が急成長したことで中途入社者や新卒採用を増やした場合は、平均勤続年数の全体平均はやや短くなります。
組織の若返りのために早期退職を募り、新卒採用を増やす老舗企業も少なくありません。

平均勤続年数を見るときは、事業規模や売上の推移や新卒・中途採用の状況を合わせて確認することが重要です。人材の定着に関連する「定着率」「離職率」の数字も参考になります。
平均勤続年数をはじめ、「数字」は、企業の健康状態を知るのに非常に便利な指標ですが、経営者の資質だったり、技術力だったり、顧客との良好な関係だったり、社風だったり、働きがいだったりと、数値化が難しい企業の良さというものもあります。
そういった点はぜひ、フォーラムキャリアのコンサルタントにお任せください。各企業に足繁く通い、密にコミュニケーションを取っているからこそ分かる肌感覚的な情報を、求職者の皆様にご提供できます。



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