ワーク・ライフの傾向と対策 vol.162
2025年4月から改正雇用保険法が順次施行されます。
今回の改正では、雇用のセーフティネットの構築、「人への投資」の強化などを目的に、雇用保険の適用拡大や、教育訓練やリスキリング支援の充実、育児休業給付の給付率の見直しなどが行われました。
ポイントを見ていきましょう。
これまで、雇用保険の被保険者要件は
・所定労働時間が週20時間以上である
・31日以上雇用される見込みがある
でした。
今回の改正では、 上記のうち、週所定労働時間が「20時間以上」から「10時間以上」に変更され、適用対象が拡大されました。
厚生労働省によると、週10時間~20時間の労働者は約506万人(2023年)で、多くの方が新たに雇用保険の被保険者となる見込みです。
従来、自己都合で会社を退職した場合は2カ月の給付制限期間があり、失業手当(雇用保険の基本手当)は受給でません。
しかし新制度では、給付制限期間が1カ月に短縮されます。
また、離職期間中や離職日前1年以内に、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練を自ら受けた場合は、給付制限期間は解除されます。
退職・転職を考えている方にとっては朗報ですね。
昨今、リスキリングの重要性が叫ばれていますが、労働者が教育訓練のために自発的に休暇を取った際、その期間中の生活費を支援する仕組みがないことが問題になっていました。
こうした課題を解決するため、雇用保険被保険者が教育訓練を受けるための休暇を取得した場合、賃金の一定割合を支給する教育訓練休暇給付金が創設されます。
政府は男性の育休取得率85%(2030年時点)を目標に掲げており、今後も支給額の増加が予想されることから、財政基盤の見直しを行います。
国庫負担割合は、は2024年度より現行の1/80から1/8に引き上げ。
保険料率は当面の間0.4%のままですが、2025年度から0.5%に引き上げ、保険財政の状況に応じて引き下げられるようにする仕組みが導入されます。
いかがでしょうか。
転職エージェントとしては、今年4月1日より、自己都合離職者の給付制限が見直されることが大きいと感じています。
転職する際は、基本はブランクをつくらないほうが良いのですが、 失業手当(失業保険)を効果的に活用し、じっくり転職活動を行う道も開けそうです。