ワーク・ライフの傾向と対策 vol.161
前回、前々回の本コラムでは、パーソル総合研究所が行った調査をもとに、2024年の労働・組織に関わるトピック・トレンドを紹介してきました。
今回は2025年の転職市場のトレンドを紐解いていきたいと思います。
労働市場の人手不足が深刻化するなかで、昨年から労働者の待遇や働く環境の改善を目的としたさまざまな施策が展開されています。
昨年の各都道府県で最低賃金の改定では、全国平均として50円引き上げの1054円となりました。
最低賃金の1位は東京都の1,163円、2位は神奈川県の1,162円、3位は大阪府の1,114円で、これらTOP3を含め15の都道府県で最低賃金が1000円を超えとなりました。
年収増を伴う転職も増加傾向にあり、ある調査によれば、2023年の転職者のうち35.0%が、賃金が1割以上アップしています。これは2002年以降で最も高い割合となっています。
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス 「doda(デューダ)」が公開している「転職市場予測2025上半期」 では、慢性的な労働力不足、2040年問題や働き方改革等の影響を受け、「電気・機械」「不動産・建設」「金融」「メディカル」「営業」「人事」「経理」「法務」「販売・サービス」「クリエイティブ」「食品」「IT・通信」「化学・素材」の13分野で求人が増加・好調を維持すると指摘しています。
団塊ジュニア世代が定年退職を迎えることで労働力不足が深刻になるとされる「2040年問題」を見据えた採用を各社が開始していることが背景にあり、転職のチャンスが広がる見込みです。
「IT・通信」は、上記で紹介した通り、2025年も求人需要が好調を維持するとされる業界のひとつです。
総務省の「情報通信白書」(令和3年販)では、日本におけるIT人材は量や質ともに不足しており、デジタル化の推進に課題があると指摘しています。
また、時代によって求められるIT人材が異なり、現在は情報セキュリティなどの高度なITスキルや、アジャイル開発など新しい分野に対応できる人材が強く求められているということです。
前回コラムでも紹介しましたが「2025年の崖」では、基幹系システムなどを担う人材の定年退職が問題視されており、企業にはDX推進などの対策が求められています。
ビジネスモデルの変化に対応できるスキルや知識を身に付けることで、転職に有利にはたらくと考えられます。