ワーク・ライフの傾向と対策 vol.158
前回のコラムでは、転職におけるタイパの考え方について書きました。
今回は、多くのビジネスパーソンの転職をサポートしてきたキャリアコンサルタントとして、「仕事ができる人」に共通するタイパ術をご紹介します。
タイパというと、時短や効率化が思い浮かびますが、“できる人”は、そこだけを目的にするのではなく、そこから何を得るのかを自然に重視しています。
些細なことですが、作業を先送りしないことの大切さを実感するのがメール対応です。
“できる人”ほどメールの返信が早いです。忙しくて即答できない場合でも、「〇〇日までに確認してお返事いたします」など、期日を明確にしていったん返信してくれるので、安心して待てます。
先送りを避けたいのはメールの返信だけではありません。
仕事やコミュニケーションは「なまもの」です。新鮮なうちに、今できることは今対応することが重要です。
“できる人”は、仕事の目的や完成度に直結する作業に力を集中させます。そして、してもしなくてもいいこと、ムダなことは一切しません。逆に言えば力の抜き方が上手なのです。
人間は長時間、仕事に集中し続けることはできません。集中するときは集中する。そうでないときはリラックスして頭の中をリセットする。メリハリをつけて仕事を進めたほうが、全体として良い結果につながります。
やることが多くて忙しいのに結果がついてこないという人は、今やっているその作業が本当に必要かどうか再考してみるといいかもしれませんね。
ある“できる人”は、「ビジネスでは『時間がない』とは言わない」ということを信条としています。時間がないことを理由に行動を諦めたり、先延ばしにしたりすると、相手に消極的な印象を与えてしまうからだそうです。
物理的に時間がとれない場合も確かにありますが、「時間がないから」で物事を終わらせてしまうと、やる気がないと見られてしまうこともあるでしょう。
実際、「時間がないから行動しない」という人は、時間ができてもやらないものです。
“できる人”は、「できない理由」を探すことはせず、「どうすればできるのか」を考えます。
私の経験上、本当に“できる人”は、仕事以外で「ムダな時間」を愛しています。
海外を飛び回っている某経営者は、ときおり「青春18きっぷ」を使って、のんびりした旅を楽しんでいます。「仕事と違って、目的地に向かって最短距離をとる必要がないから面白い」そうです。
あえて「ムダな時間」としましたが、生産性を考えず、リラックスしたり、思いっきりはしゃいだりする時間は、人生において深い意味のある時間だということはご理解いただけると思います。