ワーク・ライフの傾向と対策 vol.155
卒業、結婚など、人生の節目に旅行はつきものです。
では転職はどうでしょうか。
すこし前のデータですが、世界最大の旅行口コミサイト「Trip Advisor」の日本法人の調査で、転職経験者の3人に1人が次の職場勤務までの休暇期間に宿泊を含む「転職旅行」を経験したことが明らかになっています。
転職旅行の内訳は国内旅行が56%、海外旅行が44%で、目的は「リフレッシュ」「自分へのご褒美」「ずっとしたかったことを実現」などが多く、99%が「行ってよかった」と回答しています。
これは2014年のデータですが、コロナの問題があったり、急激な円安が進んだりと外部環境の変化はあるものの、転職のインターバルを機に旅行に出かけるという人々の行動は、それほど変わってはいないのではないでしょうか。
転職旅行のメリットはいくつもあります。
たとえば―
社会人になると、まとまった休暇を取得することは難しいものです。
その点、転職の移行期間は、遠出・長期での旅行に出るまたとないチャンスだと言えます。
お盆の時期や年末年始は旅行のピークシーズンです。料金は高い上、人気の観光地や交通機関は軒並み混雑します。
転職旅行であれば、閑散期や平日を利用したリーズナブルな旅行が可能です。
有休を取得しての旅行は、気持ちの切り替えがしにくいものです。残してきた仕事が気になりますし、スマホでお客さんからの連絡が追いかけてくるかもしれません。
退職後の移行期間であれば、仕事を気にせず、旅行そのものを思いきり楽しむことができます。
このほか、転職旅行には、仕事目線でのメリットもあります。
それは「自分を見つめ直す機会になる」ということです。
転職という人生のターニングポイントで、広い世界を見て刺激を受け、異なる文化と接したり、いつもと違う時間を過ごしたりすることは、自分を見つめ直し、心機一転こころの持ちようをリセットする上で、大きな意味があると思います。
もっとも、転職旅行をポジティブに楽しむためには、転職先との入社日の交渉を含め、計画的に転職活動を行う必要があります。
転職を計画的に、確実に進めるという点では、私たち転職エージェントをぜひ頼ってください。
卒業旅行は卒業というゴールを祝うものですが、転職旅行は退職というゴールではなく、次の就職というスタートを意識したものであってほしいと思います。