ワーク・ライフの傾向と対策 vol.152
“転職”の2文字が頭をよぎったとき、あるいは具体的に転職活動を始めようというときは、「他の人はどんな理由で会社を辞めたのか」「転職先を選んだ決め手はなんだったのか」など、他の人の転職事情が気になるものです。
そんな疑問にお答えするデータを紹介しましょう。
令和4年の厚生労働省の雇用動向調査によれば、1年間の転職入職者が前職を辞めた「個人的理由」のトップ5は、男女別に以下のようになっています。
1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった(9.1%)
2. 職場の人間関係が好ましくなかった(8.3%)
3. 給料等収入が少なかった(7.6%)
4. 会社の将来が不安だった(7.1%)
5. 仕事の内容に興味を持てなかった(4.5%)
1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった(10.8%)
2. 職場の人間関係が好ましくなかった(10.4%)
3. 給料等収入が少なかった(6.8%)
4. 仕事の内容に興味を持てなかった(5.9%)
5. 会社の将来が不安だった(4.4%)
転職を希望する理由は、地域や業種、そのときの景気動向によってさまざまですが、大半は現状に対する不安・不満が転職のきっかけとなっているようです。
ただし、転職活動に取り組む際には、自分の気持ちを奮い立たせるためにも、また面接対策のためにも、これらの思いをポジティブな表現に置き換えることが大事です。
「●●が悪いから辞める」のではなく、「●●を求めたいから辞める」という意識を持つようにするといいですね。
同じ調査では、前職と比べた転職後の賃金の増減について、以下のような結果が得ています。
☆前職の賃金に比べ賃金が「増加」した人
[34.9%](うち、1割以上増えた人は24.5%)
☆前職の賃金に比べ賃金が「減った」人:
[33.9%](うち、1割以上減った人は25.2%)
☆賃金は「変わらない」人:29.1%
前年度と比べると「増加」した割合は0.3ポイント上昇し、「減少」した割合は1.3%低下しています。
物価上昇への対応などを理由に、多くの企業で賃上げを実施していることが背景にあり、全体としては現状以上が期待できる方向にあるようです。
なお賃金のアップダウンを年齢階級別にみると、50 歳未満では賃金が「増えた」人の割合が「減った」人の割合を上回っていますが、50 歳以上になると逆転して「減った」とする人のほうが多くなります。
職種やポストにもよりますが、50歳を超えると年収アップを求める転職は難しいようです。