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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.149

良い睡眠を取れていますか?

良い睡眠を取れていますか?

「春眠暁を覚えず」 といいますが、春は寒さから解放されて身体の緊張が緩むため、心地良く眠れる季節だそうです。
皆さんは普段、良い睡眠を取れていますか。

厚生労働省では2014年に、下記の「健康づくりのための睡眠指針」を発表しています。

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

このコラムを読んでいただいている方は、「8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を」に関係が深いのではないでしょうか。

睡眠の質と量は、身体の健康に直結するだけでなく、仕事における能力や成果にも大きく影響します。
経験がある方が多いと思いますが、忙しいからと睡眠不足が続くと、仕事に対する集中力や創造性、作業の生産性や正確性が損なわれ、本末転倒の結果になることがしばしばあります。
また、ストレスや不安を感じたり、情緒が不安定になったりと、メンタルヘルスの面でも悪い影響があります。

日本人の睡眠時間は、世界のほかの国と比べても少ないという調査結果が出ています。
2021年のOECDの調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、各国平均より1時間以上短く、33か国の中で最も短いという結果になっています。
一昔前は、睡眠を犠牲にして働くことが頑張っている証拠だとして賞賛されていました。しかしそれが健康寿命や幸福度を低下させるひとつの要因になっています。

睡眠の質と量は組織全体のパフォーマンスに関係することから、休憩スペースを設置して昼寝制度を取り入れるなど、ユニークな取り組みをしている企業もあります。
またフレックスタイムやリモートワークなど、柔軟な勤務制度の導入も、社員がそれぞれの生活スタイルに合わせた睡眠スケジュールを確保しやすくなる面でメリットがあります。

厚生労働省では、前述の指針をバージョンアップするかたちで「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をまとめています。「成人」「子ども」「高齢者」の世代ごとに推奨する睡眠時間や生活習慣が示されており、成人については推奨する睡眠時間を「6時間以上を目安とする」としています。
睡眠ガイドでは、睡眠について近年の研究で科学的に明らかになった内容や、良い睡眠を取るための対策も盛り込まれました。2024年1月以降に厚生労働省のホームページで公開されるそうですので、私もぜひチェックしたいと思っています。



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