ワーク・ライフの傾向と対策 vol.132
昨年のことになりますが、12月に発表された「現代用語の基礎知識選 2022ユーキャン新語・流行語大賞」では、「村神様」が年間大賞に選ばれました。プロ野球の東京ヤクルトスワローズ村上宗隆内野手の活躍を象徴する愛称で、球団も「村神降臨」とデザインされた「村神様」グッズを販売しているそうです。
その年の「キーワード」は、流行語大賞だけでなく、さまざまな領域でピックアップされています。
パーソル総合研究所が発表する「人事トレンドワード」もそのひとつです。2022-2023年に人事領域において注目される3大ワードを選考し発表するもので、今回が初めての取り組みです。
どのようなワードが選定されたのか、見ていきましょう。
(1)テレワーク
2020年、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態的な対策で一気に広がったテレワーク。コロナ禍が収まってきたここ2年は、従来の出社型のオフィスワークと、テレワークを組み合わせたハイブリッドワークで快適に働くケースが生まれる一方、やっぱりもとの出社型に戻る…といったケースも散見されました。
テレワークの社会実験的な状況が続く中で、「各社のスタンスと議論のレベル感の差がはっきり出たという意味で、記録に残したい」と考え、トレンドワードに選定したとのことです。
(2)DX人材
コロナ禍により、DX(デジタルトランスフォーメーション)が大きな潮流になっています。
人事トレンドワードとして選ばれているのは、「DX人材の採用に注力してきたところ、外からの採用に限界を感じ、社内育成に振り向けていく転換点の1年だった」という理由からです。
DX人材の育成については、「リスキリング」(Reskilling:従業員の能力の再開発)の実践がスタートしています。
(3)人的資本経営
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。「機関投資家や欧米先行という外圧によって、急速に注目が集まり、人事・経営が情報収集に追われた」ということでトレンドワードに選定されました。
人的資本経営が注目されるようになったのは、テクノロジーを活用して市場が成熟すると、企業は技術力だけで競合との差別化を図ることが難しくなる、企業の持続可能性を評価する投資家や消費者が増えている、といった理由が背景にあります。
いかがでしょうか。
人事のトレンドは働く人が意識したい視点でもあります。
テレワークの推進に対して、会社はどんなスタンスなのか、DX人材としてスキルアップしていくためにはどうすればいいか、個人と組織の関係性は対等か、といった点を鑑みると、自分の働き方やキャリアについて新たな発見があるのではないでしょううか。
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