ワーク・ライフの傾向と対策 vol.126
とある調査によれば、2021年に転職した人の平均年齢は「31.7歳」となっています。2020年の32.0歳よりやや下がりましたが、2008年からの長期的な変動を見ると、少しずつ上昇しています。
世代別の内訳を見てみると、「25~29歳」が40.5%と、全年代に占める割合が最も大きく、次いで「30~34歳」が23.3%、「35~39歳」が12.5%、「40歳以上」が14.6%、「24歳以下」が9.2%となっています。
ひと昔前までは、どんな世代でも転職にはネガティブなイメージがつきものでした。
新卒採用から数年の20代での転職は忍耐力が足りないとみなされたり、「転職は35歳まで」という35歳限界説がささやかれたり、40代での転職はリストラを疑われたり…。
しかし現在は、働き方や価値観が多様化し、転職=スキルアップ、キャリアアップというポジティブなイメージが生まれています。
今回は改めて、20代、30代、40代と世代別の転職のポイントについてご紹介したいと思います。
【20代】
20代前半までの転職は、経験やスキルはそれほど問われません。ただし新卒との違いを明確にするため、社会人としての常識やビジネスマナーなどを備えておく必要があります。
20代後半は、上記のデータのように最も転職が活発な世代です。採用はポテンシャル重視の側面もありますが、数年の社会人経験があるということで、前職での実績や経験も強みになります。結婚・出産などライフステージが変化する時期でもあるので、「年収」「残業」「転勤の有無」などの要素をよく検討しましょう。
【30代】
30代はスキルや経験が蓄積され、リーダーやマネージャーなど責任あるポジションを担う年代です。自分のスキルや経験を活かして会社にこんな貢献をしていきたい、ということを論理的に説明できると強いですね。一般的にマイホームの購入や子どもの教育などにお金がかかる世代なので、収入の空白期間ができないよう計画的に転職活動を進めましょう。
【40代】
40代の転職活動の前提になるのは、管理職経験やマネジメント能力、あるいは特定分野の専門性です。企業内のポジションは限られており分、求人数も少なくはなりますが、公開されていない求人もありますし、「そんな良い人がいるなら迎え入れたい」といった、新たな求人の掘り起こしが可能な場合もあります。
一方で最近は、キャリアアップ志向の転職だけでなく、「年収が下がってもいいから、地元に腰を据えて働きたい」「家族との時間を大切にしたい」と、あえてキャリアダウンを選ぶ転職事例も増えています。実際、大企業の経理部門で長年働いていた方が、コロナを機に働き方を考え直し、Uターンで中小企業に転職した事例もありました。
これは全世代について言えることですが「転職に何を求めるか」というところから考えると、満足がいく結果が得られるのではないでしょうか。
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