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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.124

「市場価値」との付き合い方

「市場価値」との付き合い方

転職に関する情報収集していると、
「自分の市場価値を高めよう」
「自分の適正な市場価値はいくらなのか知ろう」
といった文言を見聞きすると思います。

「市場価値」というワードは、個々のスキルや経験、資格が転職市場・就職市場でどのように評価されるか、といった意味合いで使われます。もっとも市場価値の基準は時代によって、あるいは業界によって異なり、絶対的な数値があるわけではありません。

市場価値の考え方は、欧米の企業で主流の「ジョブ型雇用」と好相性です。
ジョブ型雇用とは、一つひとつの仕事に対するジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を作成し、仕事に人を割り当てる雇用のスタイルで、

・その職務に対する能力が採用基準になるため、企業側に教育を行う義務はない
・能力に応じた職務給が支払われる
・業務がなくなったなど会社側の都合で解雇されることがある
・欠員が生じた場合に採用を行う

といった特徴があります。

「この職務がこなせるのであれば属性不問」ということになるので、業務が標準化され、生産性が上がり、採用や社内の主体的な人事異動が活性化するメリットがあります。


欧米のジョブ型雇用に対し、日本の企業では、年功序列・終身雇用・新卒一括採用の仕組みのもと、人に仕事を割り当てる「メンバーシップ型雇用」が伝統的に行われてきました。

メンバーシップ型雇用の場合、たとえば「当社のこのポジションは、Aさんでなければ務まらない」というように業務の属人化が発生しやすくなります。となると業務が標準化されず、生産性は上がりません。ポジションが属人化され、転職したい人も転職しにくくなります。

今後は日本でもジョブ型雇用へのシフトが進むと見られています。
そうした面では、自分の市場価値を高めることを意識して、キャリアを積み、資格を取得していく考え方が重要になると言えます。

ただし人間は商品ではありませんから、市場で評価される機能にだけフォーカスを当てるのには疑問があります。また、現在の環境で自分の市場価値を上げる努力をするより、これから成長するマーケットに早く飛び込むこと=マッチングが大事かもしれません。

個人的には、市場価値を高めることを目標にするのではなく、自分の信念や価値観に基づいて仕事に取り組むことで、自然に価値が上がってくるのが幸せな人生のあり方だと思います。

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