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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.113

「70歳までの就業」とミドル層の転職

「70歳までの就業」とミドル層の転職

今年の4月1日、70歳まで働き続けることができるよう就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が施行されました。

具体的には、

(1)定年の廃止
(2)70歳までの定年延長
(3)再雇用制度の導入
(4)起業する人やフリーランスとして働く人と業務委託契約を結ぶ
(5)NPOなどの社会貢献事業に従事できるようにする

といった5つの働き方が示され、企業と従業員が話し合って決めるとしています。

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社が昨年実施した「ミドル2,500人に聞く 『70歳現役社会』意識調査 」では、回答者の8割が「企業による70歳までの就業機会の確保について賛成」と回答し、6割が「定期収入が得られる」「年金への不安」「社会参加の継続」を理由に「70歳まで働きたい」と回答しています。

実際、少子高齢化や人手不足を背景に、65歳以上の働く高齢者は増え続けており、総務省の調査によれば2020年は906万人とこれまでで最多となりました。働く人全体に占める割合は13.6%に上ります。 これに対して企業側の対応はどうかというと、コロナ禍のタイミングであり、今回の法改正は罰則のない努力義務にとどまることもあって、様子見している企業が少なくありません。

働きたい高齢者と企業との間には、すこし温度差があるようです。

就業機会の確保については注意すべき点も見えてきています。

上記の(1)~(3)は企業が雇用するケースですが、(4)(5)は雇用以外の方法で就業機会を与えるケースです。すなわち労働基準法などが適用されず、最低賃金を下回る賃金でも法律違反とならなかったり、雇用保険の失業給付が支払われないことも想定されます。
高齢者が安心して働くことができる環境をどのように整備していくのかは今後の課題です。

今回の法改正により、労働者は必ず70歳まで働くことになった、というわけではありません。
ポジティブに捉えるなら、定年が延び、働き方の幅が広がることで、本人の意欲や健康状態、家計の状況などに合わせて、それぞれが希望に沿う道を選ぶことができる土壌が整った、ということです。

人生100年時代にあって働く期間が長くなる可能性を踏まえ、ミドル層の転職も活発になっています。そしてミドル層の転職は、老後資金の確保や、人生をより豊かなものすることに直結します。

70歳までバリバリ働きたい人。65歳を過ぎたら仕事とは別のキャリアを歩みたい人。60歳で潔くリタイアして趣味に打ち込みたい人。価値観や希望は人それぞれです。
私たちは今後も求職者さん一人ひとりに寄り添い、転職サポートに努めていきます。

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