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ワーク・ライフの傾向と対策 vol.103

「残業代」はあてにしてはいけない。

先日、知人と雑談をしていて

「勤め先が働き改革で残業が減っている。時間に余裕ができたのは嬉しいけれど、残業代が減ってお金の面での余裕はなくなった」

という話題になりました。

その知人の場合は冗談半分で済んでいますが、若い世代の方で、それこそ残業代を見込んで住宅ローンを組んだ、というような方の場合は、なかなか厳しいものがあります。

「生活残業」という言葉があります。

生活残業とは、生活費を稼ぐため、意図的に残業することをいいます。
日本で長時間労働が問題となっている理由の一つは、生活残業をする人が多いということがあります。さらにいえば、遅くまで残業している社員を「頑張っている」と評価する風土があるために、この問題は長く看過されてきました。

しかし、働き方改革の取り組みが本格化し始めた2016年以降、労働時間は減少を続けています。
長時間労働の常態化は、改善すべき点ではありますが、残業時間が減ることで残業代を当てにできなくなり、かえって生活が苦しくなる人が出てきているのも事実です。

とある試算では月平均60時間超の時間外労働時間が一律に削減されたとすると、雇用者の受け取る賃金は1人当たりで月約7.2万円減少するとされています。これは由々しき問題ですね。

こうした環境にあって、残業をあてにする生活は不安定であるということは言うまでもありません。残業の有無に関係なく、必要な収入を確保できる「仕事」や「生活スタイル」に切り替えていく必要があります。

「仕事」の面では、次のような方法があります。

(1)昇給して基本給を上げる
一番基本的なところですが、定期昇給を待つだけでは厳しい場合もあるでしょう。
最近では、従来の年功序列賃金制度から成果主義賃金に切り替える企業もあります。

(2)副業を始める
働き方改革の一環で、副業に関する規定が緩和され、2018年1月から副業・兼業が解禁されました。
しかし、実際には多くの企業が認めていないという現状もあり、これは勤務先の会社の規定によります。

(3)年収の高い会社へ転職する
今の会社は昇給は期待できない、副業も禁止されている。でも、自分自身は年収を上げて、ステップアップしたいという意欲がある。
であれば、転職という道があります。

入社と同時に年収アップができる転職は難しくても、社員一人ひとりの成果・業績に応じて給与が支給される、将来的に年収アップが見込めるなど、夢が描ける環境は選ぶことができます。


個人的にもうひとつおすすめしたいのは、残業削減で生まれたゆとりの時間を自分への投資に使うということです。
資格取得など、キャリアに直結することでなくてもいいのです。本を読んだり、ジムに通ったり、さまざまな人と交流したり、何か新しいことを始めてみたり…。自分に投資した時間は、身となり力となって必ず返ってきます。

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