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キャリアコンサルタントに聞く vol.91

2024年、転職で注目の業界は?[1]

Q:2024年、転職で注目の業界は?
コロナも収束した今、将来性のある企業に転職したいと考えています。これから伸びる業界を教えてください。


A:2024年に伸びる業界その2「物流業界」
ご質問ありがとうございます。
同じようなご質問も複数いただいていますので、数回に分けて2024年に注目したい業界を紹介していきたいと思います。

まずは「物流業界」です。

「物流の2024年問題」をご存知でしょうか。
数年前から話題になっていますが、2024年4月以降、自動車運転業務の時間外労働時間を960時間までとする国の規制が始まります。
この規制自体は、トラックドライバーの労働環境改善を目的としたものであり歓迎すべきことなのですが、懸念されているのは、ドライバーの労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、モノが運べなくなる、ということです。

具体的にいえば、たとえば今東京のスーパーに四国の新鮮な野菜が並んでいる背景には、ドライバーが九州から東京まで夜通し保冷トラックを運転してくれている、ということがあります。
しかし時間外労働の規制がスタートすれば、道中のどこかで一泊するため輸送時間が大幅に長くなる、ドライバーが交代するため人件費がアップするなど、これまでと同じ時間やコストでは荷物を運べなくなってしまいます。

こうした2024年問題に対応するため、デジタルツールを導入して業務効率を改善したり、予約・出荷体制を見直したり、再配達を減らす取り組みを行ったりと、業界内外でさまざまな対策が推進されています。

もちろん物流各社では人材採用にも力点を置いています。

トラックドライバーも不足していますが、同時に物流企画、物流管理といったポジションでも人材が求められています。これらは、商品を市場や顧客に届けるために、在庫を管理する場所、配送ルート、人員などの物流ネットワークを構築し、管理・運用する仕事です。 安全かつ確実に商品を流通させるだけでなく、効率化・合理化の提案も求められます。
また経理や人事など、物流企業を支えるバックオフィス業務も、転職市場で求人が増えています。

皆さんも実感していらっしゃると思いますが、近年はリアル店舗でものを購入するより、ECサイトを活用する機会が増えており、物流量は増加傾向にあります。
物流の2024年問題への対策は、物流業界の進化や事業構造を再構築、求人の多様化につながっています。これまでの経験やスキルをもとに、新天地で活躍したいという方、ぜひ物流業界に注目してみてください。


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