キャリアコンサルタントに聞く vol.82
Q:転職で年収アップできる?
28歳、メーカー営業職です。転職して年収を上げたいと考えていますが、可能でしょうか。
今回が初めての転職になります。
A:「20代後半」「営業職」は年収アップの確率が高いです。
ご質問ありがとうございます。
転職における年収のアップダウンは、誰にとっても気になる点のひとつですね。
厚生労働省の令和2年「転職者実態調査」の数字を見てみましょう。
まず、転職者の自己都合による離職理由は、
・労働条件(賃金以外)がよくなかった から 28.2%
・満足のいく仕事内容でなかったから 26.0%
・賃金が低かったから 23.8%
という順になっています。
そして転職者が現在の勤め先を選んだ理由は何かというと
・仕事の内容、職種に満足がいくから 41.0%
・自分の技能、能力が活かせるから 36.0%
・労働条件(賃金以外)がよいから 26.0%
が3トップとなっています。
「賃金がよいから」という理由はこれらに次ぐ4番目(15.1%)です。
「賃金が低い」「賃金がよい」というのは、離職・転職を決定づける最大の理由にはならないようです。
そして実際に転職して賃金はどうなったかというと、
・増加した 39.0%
・減少した 40.1%
・変わらない20.2%
という結果になっています。
こうなると一般論として、年収が上がるか下がるか変わらないかは、一概には言えない、ということになります。
これだけでは身も蓋もないので、夢が持てる調査結果をご紹介しましょう。
「年収アップ成功者」を対象にしたとある調査では、年代別で見ると「20代後半の転職で年収アップを果たす人が多い」という結果が出ています。
若いうちはもとの年収が低いということもありますし、転職の選択肢が多ければチャンスが広がります。特に新卒入社後、着実にスキルを磨いてきた人が、年功型の給与体系の企業から実力・実績評価型の企業へ転職した場合には、大幅に年収アップすることもあります。
そして職種別にみると「営業職」「エンジニア職」に年収アップが目立ちます。
営業職はインセンティブがある環境であれば、実力次第で収入が上がります。また確立された営業手法を持っていれば、業界が変わり扱う商品が変わっても大きな強みになります。営業職以外では専門性のある職種が年収金額アップ率が高い傾向にあります。
質問者さんは、20代後半の営業職です。年収アップの可能性は大いにあるので、ぜひチャレンジしてほしいと思います。私たちも応援します!
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