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キャリアコンサルタントに聞く vol.77

「何のために働くのか」という質問に対する答えは?

Q:「何のために働くのか」という質問に対する答えは?

学生時代のことですが、就職活動にあたって、第一志望の企業の面接官から「何のために働くのか」というような質問を受けました。「お金のため」という答えが一瞬頭に浮かんだものの、それは言えず口ごもってしまいました。そのせいかどうかは分かりませんが、その企業とはご縁がなく、別の企業に就職しました。それから2年経った現在転職を考えているのですが、「何のために働くのか」という問いがひっかかっています。何か自分なりの答えを出して、転職活動に臨みたいと考えています。アドバイスをいただければ幸いです。

A:「お金のため」は当然。「お金以外の価値」についても考えてみてください。

ご質問ありがとうございます。

何のために働くのか―。自分にとって仕事とは―?
シンプルでいて、奥が深い問いですね。

内閣府の「国民生活に関する世論調査」(令和3年度)をひもといてみると、「働く目的は何か」という質問に対し、61.1%の人が「お金を得るために働く」と答えています。
以下、「生きがいをみつけるために働く」(13.9%)、「社会の一員として、務めを果たすために働く」(12.1%)、「自分の才能や能力を発揮するために働く」(7.2%)と続きます。

多くの人は、生きていくため=お金を得るために働いています。
お金があることで衣食住を整えることができますし、旅行やスポーツ、ファッションなど、好きなことを楽しめます。結婚している人にとっては、家族の生活を支えることにもなっています。視野を広げれば、お金を使うことは経済を回すことに貢献します。

そうしたことから、「何のために働くのか」と聞かれて、「お金のためです」と答えるのは、実にまっとうなことだと思います。
ただ「そちらの会社で働くのは、お金のため“だけ”です」と言われて、そうかと納得する面接官は珍しいでしょうね。

お金のためだけに働くなら、どんな会社で働いても、どんな仕事をしても同じです。
質問者さんが学生時代の就活で出会ったという面接官の方は「働く目的」ではなく、「働いてお金を得る場所として、なぜ当社を選ぶのか」を聞きたかったのだと思います。

これは転職時にも明確にしておきたい、重要なポイントです。

質問者さん自身、2年間の社会人生活の中で、「自分の能力が発揮でき、評価されるやりがい」「さまざまな出会い」「自分の世界が広がる楽しさ」「事業を通じて社会の役に立っている充実感」など、仕事がもたらす「お金以外の価値」にも気づいていらっしゃるのではないでしょうか。そのあたりを一度書き出してみるといいと思います。

安定してお金を稼ぐことができ、さらに自分にとって大事な「お金以外の価値」を得ることができる。だからこそ、ここで働きたい。そんなふうに思える転職先に出会えるといいですね。
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