キャリアコンサルタントに聞く vol.74
Q:年収の相場は?
今もらっている年収が自分のキャリアに見合っているのか、ひょっとしたら実力よりも年収が低いのではないだろうか…と不安に思うことがあります。転職するかはまだ決めていませんが、年収の相場のようなものがあれば教えていただきたいです。
A:2020年の日本の平均給与は 433 万円です。
ご質問ありがとうございます。
収入にかかわることは、友人知人にも率直に聞けないことです。一方で分かりやすい自分の「評価」でもあるので、気になりますよね。
参考までに国税庁の「民間給与実態統計調査」(2020年分)のデータをご紹介しましょう。
同調査によれば、2020年の日本の平均給与は 433 万円(対前年比 0.8% 減)となっています。
男女別にみると、男性 532 万円(同 1.4%減)、女性 293 万円(同 1.0% 減)となっています。
また正規、非正規についてみると、正規 496 万円(同 1.5%減)、非正規 176 万円(同 0.9%増)となっています。
「433万円」という数字は、ひとつの正しい数字なのですが、個々の事情やワークスタイル、あるいは企業規模などによって、実際の年収にはかなりの差があります。残念ながら男女の格差も大きいです。そのあたりを詳しく見てみましょう。
〔事業所規模別の平均給与〕
平均給与を事業所規模別にみると、 従事員 10 人未満の事業所では 348 万円(男性 433 万円、女性 245 万円)となっているのに対し、従事員 5,000 人以上の事業所では 509 万円(男性 667 万円、女性 293 万円)です。
〔企業規模別の平均給与〕
平均給与を企業規模別にみると、資本金 2,000 万円未満の株式会社では 372 万円(男性 448 万円、女性 249 万円)となっているのに対し、資本金 10 億円以上の株式会社においては 608 万円(男性 721 万 円、女性 358 万円)です。
〔業種別の平均給与〕
平均給与を業種別にみると、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の 715 万円、次いで「金融業、保険業」の 630 万円となっており、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の 251 万円となっています。
〔年齢階層別の平均給与〕
平均給与を年齢階層別にみると、男 性は 60 歳未満までは年齢が高くなるにしたがい平均給与も高くなり、55~59 歳の階 層(668 万円)が最も高くなっています。女性では年齢による違いはあまりありません。
ちなみに給与の平均値ではなく分布を見ると、また違った様相が明らかになります。
給与所得者の給与階級別分布をみると、300 万円超 400 万円以下の人が 913 万人(構成比 17.4%)で最も多く、次いで 200 万円超 300 万円以下の者が 814 万人(同 15.5%)となっています。
男性では、年間給与額 300 万円超 400 万円以下の者が 538 万人(同 17.5%)と最も多 く、次いで 400 万円超 500 万円以下の者の 533 万人(同 17.3%)となっています。
女性では、100 万円超 200 万円以下の者が 508 万人(同 23.4%)と最も多く、次いで 200 万円超 300 万円以下の者の 462 万人(同 21.3%)となっています。
参考になりましたら幸いです。
実際に転職先を絞り込む際は、年収はもちろん大事なことですが、仕事内容、社風、福利厚生制度、そして何よりご本人がやりがいを感じられるか、といった点も大いに配慮したいところですね。
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