キャリアコンサルタントに聞く vol.73
Q:男性の育休に積極的な会社に転職したい。
26歳で夫婦共働き、家事も折半してやっています。まだ子どもはいませんが、今子育てについても同じようにどちらかが担うというよりは同等に関わっていきたいと考えています。そのためにも男性の育児休暇の取得に対して積極的な会社への転職を考えています。アドバイスいただけますと幸いです。
A:2022年4月より男性の育休取得促進を目的とした改正育児・介護休業法が順次施行されます。
ご質問ありがとうございます。
男性の育休取得については、2021年11月にパーソルキャリア株式会社が「男性育休に関する意識調査」の結果を公表しており、
●将来育休を取得したいと回答した男性は「80.0%」
●子どものいる男性で育休を取得したことがある人は「15.4%」
●取得しなかった理由の最多は「男性が育児休暇を取得するという考えがなかった」
といった結果が出ています。
将来育休を取得したいと回答した男性は80.0%ということですが、質問者さんと同じ若い世代、特にZ世代とミレニアル世代で、それ以降の世代と比べて将来育休取得を希望する人が多くなっています。
そんな中で、今年は育休取得を希望する男性に良いニュースがあります。
男性の育休取得促進を目的のひとつとして改正された育児・介護休業法が、2022年4月1日から段階的に施行されます。
今後の流れを見てみましょう。
◎2022年4月1日から
妊娠・出産を届け出た労働者に、育休の取得を個別に働きかけるよう企業に義務付けます。
努力義務ではなく義務というところがポイントで、会社が働きかけを怠った場合社名が公表されることも考えられます。
◎2022年10月1日ごろから
子の出生後8週間以内に、父親が最大4週(2回に分割可)の育児休業を取得できる「出生時育休制度」が新設されます。
◎2023年4月1日から
従業員が1,000人を超える事業主に対し、育休取得率の公表を義務付けます。
以上のように男性育休を取り巻く環境は変化を見せ始めています。
一般的には「わざわざ男性が育休を利用しなくても…」という考えも根強くあります。
しかし「仕事か、家庭か」の二者択一だった時代は終わりました。ワークライフバランスに関する価値観の多様化、女性の社会進出、ジェンダー平等の視点、共働き世帯の増加などを背景に、男性の育休取得は今後もっと増え、子どもができたら性別に関係なく当たり前に育休を取得する、ということが当たり前になっていかなければいけません。
アンテナを高くして企業の動向をキャッチし、転職活動を進めていきましょう。
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