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キャリアコンサルタントに聞く vol.69

コロナ禍の転職は延期したほうがいい?

Q:コロナ禍の転職は延期したほうがいい?

営業をしています。昨年からなんとなく転職を考えていたのですが、新型コロナの感染状況を横目で見ながら、今は転職のタイミングではない…と先延ばしを続けて今に至ります。ただどれだけ待っても状況があまり変わらないなら、思い切って転職活動を始めてみようかな、とも思うようになりました。
実際のところ、コロナ禍の転職ってどうなのでしょうか。

A:延期するのではなく、時間をかけて丁寧に取り組む意識で

ご質問ありがとうございます。

「新型コロナの影響で、転職市場はどう変化していますか」
「今は転職はしないほうがいいでしょうか」

という不安の声は、求職者さんからよく聞かれます。

確かにコロナウイルスは採用市場に大きな影響を及ぼしました。増加傾向にあった求人数は、一度目の緊急事態宣言が出た2020年4月から8月にかけて大きく減少しました。
最近は求人数も求人倍率も回復傾向ですが、前例のない状況の中で、企業の事業活動や採用活動の今後は不透明です。企業としても、そして私たち人材エージェントとしても手探りの部分が大きいのが実情です。

業界・業種別の傾向としては、宿泊業、飲食サービス界などでは採用活動を停止、または縮小する動きが進んでいます。
逆に好調なのは、非対面でビジネスが成立するWeb業界、リモートワークの拡大で成長するITソリューション企業、巣ごもり需要で追い風が吹く小売企業などです。また看護・介護業界は安定して求人があります。

転職活動のプロセスにも以下のような変化が生じています。

【面接】
従来は対面での面接が主流でしたが、現在はオンラインでの面接が増えています。
求職者はオンライン面接のマナーやノウハウを習得しておかなければなりません。

【転職活動にかかる期間】
求職者が企業を絞り込む際に慎重になるのはもちろん、企業側も採用プロセスにおいてより慎重になります。
転職活動にかかる期間は、従来は平均2~3カ月でしたが、現在はそれより長期化する傾向にあります。

【求められる経験・スキル】
長く続いた売り手市場のため、従来はポテンシャル重視の採用も多く行われていました。
現在は業種によっては即戦力の求人ニーズが高くなっています。


変化というと、ついネガティブに捉えがちですが、ポジティブな側面もあります。
たとえばオンライン面接が主流になることで、遠方での就業を希望する方などは、今まで参加しづらかった面接も受けやすい環境になっています。
また転職活動において、自分が仕事に何を求めるか熟考する時間を持つことは、転職活動のモチベーションアップにつながります。

質問者さんも、転職を単純に延期するのではなく、自分に向き合うところから始めて業界研究や情報収集に時間をかけ、より丁寧に転職活動取り組んでいく、という意識を持っていただくと良いように思います。
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