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キャリアコンサルタントに聞く vol.65

転職するか、フリーランスになるか、どちらがいい?

Q:転職するか、フリーランスになるか、どちらがいい?

東京のIT企業でSE職をしています。結婚したこと、そしてコロナ禍で自宅でリモートワークが増えたことをきっかけに、時間の融通がきく フリーランスになってもいいのでは…と思うようになりました。
今の会社は女性エンジニアの先輩はおらず、今後子どもができたときに育児との両立ができる環境かどうかよくわかりません。転職という選択も考えていますが、フリーランスと比べてどちらがいいのでしょうか。

A:「時間の融通がきく」という一点で決めず、広い視野で判断しましょう。


ご質問ありがとうございます。
今のうちに育児と両立しやすい仕事環境を確保しておくというお考え、計画性があっていいですね。

エンジニア職はもともと自由度が高い職業です。そこに「フリーランス」という働き方が世の中に浸透するようになり、転職希望者の中でも興味を持つ人が増えています。

フリーランスにはいろんなメリットがありますが、育児との両立という観点でいえば、下記のようなメリットがあります。

●仕事の段取りを自分の裁量で決められる
納期さえ守れば、受けた仕事をどう進めるか、いつ作業するか、自分で決められます。
平日に子どもの学校行事がある場合は、週末に作業をずらず、日中終わらなかった作業は夜間に行う、といった柔軟なやりくりが可能です。

●スキマ時間を活用してどこででも作業ができる
働く場所は自宅に限りません。「子どもの送り迎えの空き時間」「外出先のスキマ時間」にできる作業もあります。
10分もあれば、メールの送受信やビジネスチャットのチェックができるので、貴重な時間を有効に使えます。

●「会社に迷惑をかけるかも…」というストレスがない
会社員の場合、子どもが熱を出して欠勤・早退することもあります。何度も続くと周囲の目が気になる場合もありますが、フリーランスなら自分で仕事を調整して解決できるので、そういったストレスはなくなります。


いかがでしょうか。
フリーランスであれば、好きな場所で好きな時間に仕事ができ、子どもと過ごす時間が増えることが多いです。
しかしその半面、

●仕事量や収入が安定しない
●会社員に比べセーフティネットが弱い
●仕事とプライベートのメリハリがつきにくい
●早朝や深夜に作業をするなど無理をしがち
●仕事を分担できる同僚がおらず、自分の仕事は自分で終わらせる責任が生じる

など、メリットと表裏一体のデメリットもあります。

特に会社員であれば産休を取得でき、出産手当金や育児休業給付金などのサポートもありますが、フリーランスの場合にはそうした保障制度は少なく、自分が仕事をしなければ収入は途絶えます。
「時間の融通が利いて育児と両立しやすい」という点だけを見るのではなく、ご自身がフリーランスとしてどんな仕事をしたいのか、何を目標にするのかを明確にした上で、転職か、あるいは現職に留まるか、それともフリーランスに挑戦するかを判断すると後悔しないのではないでしょうか。
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