キャリアコンサルタントに聞く vol.64
Q:間接部門への転職は可能?
20代後半、新卒で入った会社で営業職をしています。営業である以上、ノルマはつきものですが、そのプレッシャーがきつく、自分にはこの仕事は合っていないと思うに至りました。転職して間接部門の仕事がしたいと思っています。間接部門は採用数が少なく、経験者でなければ難しいと聞いたことがあるのですが、実際のところはどうなのでしょうか。
A:狭き門ですが挑戦は可能。あるいは自分に合った「営業」を選んでは。
ご質問ありがとうございます。
質問者さんのように、ノルマに追われるのが嫌で、営業から間接部門への転職を検討したいという方は、実は少なくありません。
一般的な話からさせてください。
まず「間接部門」についてです。
間接部門とは、社員が働きやすい環境を整えたり、社内のあらゆる部門の業務をサポートしたりして、会社の売上に間接的に貢献する部門を指します。
具体的には人事、総務、経理、法務、広報、情報システムなどの職種・部門があり、「バックオフィス」「管理部門」と呼ばれることもあります。
これに対して、営業、販売、製造、開発などの職種・部門は、企業の売上に直接影響を与えることから「直接部門」と呼ばれます。
間接部門も直接部門も、いずれも企業を支える重要な役割を果たしています。
ただし間接部門の業務は、データ入力や数値計算、書類作成など定型的・画一的な事務処理が多く、直接部門に比べて評価がされにくく、アウトソーシングの対象になりやすい側面があります。
そして利益を直接生み出す部門ではないことから、特殊な業務でハイスキル人材の需要があるケースを除けば、採用優先度は低いということが言えます。ずばり、求人数が少ないのです。
こうしたことから一般的には、質問者さんがおっしゃるように、管理部門の職種へ転職することは難しいのが現実です。
ただし、間接部門には先に挙げたようにさまざまな職種・部門があるので、諦めることはありません。
特に人事と総務の2職種は未経験からでも十分に対応できます。質問者さんの年齢を考えると、十分チャレンジできるのではないでしょうか。広く情報収集して、チャンスをつかみましょう。
もうひとつアドバイスするとすれば、営業職にもいろいろあるので、視野を広げてみてもいいのではないでしょうか。
現職はノルマが厳しいということですが、そうではなく、たとえば既存顧客を中心としたルート営業などでは、安定して受注があるのでノルマの達成が容易だったり、あるいはノルマなしという場合もあります。
案外、質問者さんに合わないのは営業職ではなく、今の業界や、会社の社風かもしれませんよ。
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