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キャリアコンサルタントに聞く vol.54

プレイングマネジャーとしての経験は転職に有利?

Q:プレイングマネジャーとしての経験は転職に有利?

富山県に本社を置く某メーカーの営業職をしています。
新卒で入社して10年、それなりに評価されて、近々マネジャーに昇格することになりました。とはいえ、従来のお客様のフォローは引き続き担当し、個人としての売上目標も持つことになるので、いわゆるプレイングマネジャーの立場になります。評価されたのはありがたいのですが、現場業務とマネジメント業務を両立するのは、正直大変なのでは…という思いがあります。
実は漠然と転職を考えていたタイミングでもあり、今の会社でプレイングマネジャーとしての経験を積んだほうが転職に有利になるのか、それともその前に転職してしまったほうがいいのか、自分自身今後どういうキャリアを重ねていけばいいのか迷っています。アドバイスいただければ幸いです。


A:必ず有利に働きます。

ご質問ありがとうございます。

まず、興味深いデータをご紹介しましょう。

2018年に産業能率大学が実施した調査では、従業員数100人以上の上場企業に勤務し部下を1人以上持つ課長職の実に99.2%が「プレイングマネジャー」であると答えています。また、そのうちの6割近くが「プレイヤーとしての活動により、マネジメント業務に支障がある」と回答しています。

「現場業務とマネジメント業務を両立するのは、大変なのでは…」というご質問者さんの想像は、ずばり正解、ということです。

ではプレイングマネジャーになることを避けて、転職をするのが得策かといえば、そうではありません。

人を通じて成果を生むマネジメント業務と、自ら成果を生むプレイング業務を両立させていくことは、現代のビジネスパーソンに欠かせない経験であり、スキルです。

ただし、現場業務とマネジャー業務のいずれにも100%のパフォーマンスを発揮するのはムリというもの。どちらの比重を高くするか自ら考え、会社側としっかりコンセンサスを取ることが大切です。

どちらに重きを置くべきかは、会社・部署の状況や、自分自身が今後どういうキャリアを志向するのかによります。
会社からは現場での成果をより期待され、自分も長く現場で活躍したいと考えるなら、プレイヤーとしての役割に比重を置くことになります。
現場は部下に任せ、マネジメント業務にシフトしていくことを会社も自分も期待している場合は、マネジャーの比重を高くするのが良いでしょう。

現在の会社で評価され、満足できるキャリアパスをたどることができればもちろんいいのですが、やはり転職をしたいという場合も、プレイングマネジャーとしての経験、そしてその中で明確になったご自身のキャリア志向は、必ず有利に働きます。
繰り返しますが、マネジメント業務とプレイング業務の両立は、現代のビジネスパーソンに欠かせない経験であり、スキルなのです。
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