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キャリアコンサルタントに聞く vol.53

転職者の給与はどのように決まる?

Q:転職者の給与はどのように決まる?

東京本社の会社で営業職をしていますが、最近地元の新潟にUターン転職しようかと考えるようになりました。ネットで求人情報を眺めていると、給与の表記は「△△~○○円」などとなっており、かなり幅があるように感じます。
素朴な質問ですが、転職者の給与はどのように決まるのでしょうか。

A:基本的に2つのパターンがあります。

ご質問ありがとうございます。

中途採用の人材の給与については、転職者もよく分からない点が多いと思いますが、企業側も適切な金額の決め方に頭を悩ませることが多いようです。
新卒とは異なり、中途採用者の場合は年齢やキャリア、スキルが一人ひとり異なります。
また既存の社員から不満が出ないよう配慮しなければならない、という事情もあります。

ともあれ、中途採用者の給与決定方法は、

(1)自社の給与基準をもとに決める
(2)中途採用者の前職の給与から決める

の2つのパターンが基本です。


(1)自社の給与基準をもとに決める場合

この場合、求職者の年齢、経験年数、採用ポジションなど、客観的な指標に基づいて給与を決めることになります。
求人情報には、中途採用者と同じ業務を行う同年代の社員の年収が「モデル年収」として記載される場合が多いですね。
質問者さんのように東京から地方へのUターン転職の場合、給与は減少することがほとんどなので、マッチングが難しくなるという側面もあります。

(2)中途採用者の前職の給与から決める場合

この場合は、会社にとって必要な人材だと認められれば最低でも前職給与は維持されるので、求職者にとって安心感があります。
当たり前のことですが、給与の交渉に当たって「自称 年収○○円」ではNG。前職の業務内容はもちろん、給与明細も明らかにする必要があります。


最近は、優秀な人材を確保するため、(1)を基本にしつつ、(2)も参考にする企業が増えているように思います。
試用期間が設けられ、期間中の仕事ぶりを評価した後、正式な給与が決まるケースもあります。

ちなみに、厚生労働省の「転職者実態調査(平成27年)」によれば、企業が転職者の処遇決定の際に考慮した要素は

■これまでの経験・能力・知識
■年齢
■免許・資格

の順に割合が高くなっています。

ご質問者さんにアドバイスできることがあるとすれば、今のうちに「経験・能力・知識」を上げておこう、ということです。特に現在の業務の枠内に収まるものではなく、幅広く応用できる「経験・能力・知識」の向上を意識するといいでしょう。

一方で、転職時の給与は出発点だとも言えます。スモールスタートを切り、その後の伸びしろを広げておくほうが良い、という考え方もあります。

我々エージェントを活用していただければ、そういった待遇に関する交渉を入社前に行うことも可能です。
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