転職百科

フォーラムキャリア転職百科>転職して年収アップしたい!

キャリアコンサルタントに聞く vol.50

転職して年収アップしたい!

Q:転職して年収アップしたい!

営業職で今の会社に勤めて今年で8年目になりますが、給与が上がらないことに不満があります。今後、妻の出産も控えており、子育てやライフスタイルを考えると、より良い条件で働ける転職もいいのでは…と思っています。転職で年収アップすることは可能でしょうか。


A:業種を変えれば可能ですが、転職を機に「年収」のあり方について考えてみても

「給与アップ」は、転職する際にもっとも気になる要素でしょう。今の収入に不満があるから、もっと収入を上げたいから転職したいという方も少なくありません。

さて、転職で年収アップは可能かというご質問ですが、ずばり言うと、同じ地域で、同じ業種への転職では、収入アップはほとんど期待できません。

ガッカリされたかもしれませんが、逆に言えば、業界を変えれば交渉次第でアップすることは可能です。その可能性について、詳しくご説明しましょう。


【前職と同じパフォーマンスが転職先でも出せるか】

技術職や専門職の方であれば、採用選考で前職の実績が評価されます。
しかし営業職の場合は少し事情が違ます。
前職のA社での実績を転職先のB社でも活かせる場合はいいのですが、A社で通用することがB社では通用しないということは往々にしてあります。

営業実績とは、「誰に」「何を」「どのように」「どれだけ」売ったか、という4点を含みます。
企業が重視するのは、前職での売上(「どれだけ」)よりも、「提案型の営業が上手」「信頼関係を構築することが得意」など、「どのように」の方です。
つまり、コミュニケーション能力、マネジメント力、課題発見力、計画性、交渉力など、汎用性のあるスキルや経験値に期待しているのです。これを踏まえて、自己アピールするといいでしょう。


【おだやかなスタートを切ることも考えて】

一方、高い収入を獲得するということは、それだけ高い期待に応えなくてはならないということになります。これはなかなかのプレッシャーです。

長く働くことを考えれば、当初の給与は許容できる範囲で下がることも受け入れ、徐々に自分の仕事を認めてもらい、3〜5年後により高い職位、給与を目指すアプローチもいいのではないでしょうか。

参考までにの話になりますが、2015年にノーベル経済学賞を受賞した米プリンストン大学のアンガス・ディートン氏は、収入と幸福感の関係を解き明かす研究で知られており、「人々の幸福感は年収に比例して上がるが、年収が7万5,000ドル(約900万円)を超えると幸福の感じ方が鈍くなる」と指摘しています。

人間の幸福感は、お金だけでなく、健康、余暇、人間関係、将来に夢が持てるかどうかなど、さまざまな要素が絡み合って決まります。
ディートン氏らの研究では幸福度のピークは年収7万5000ドルということでしたが、もちろんこの額は国や住んでいる地域によって異なります。
ちなみに日本の平均年収は約420万円で、中央値は約360万円です。
転職の検討を機に、質問者さん自身が幸せだと感じられる収入について、ご夫婦で検討されてみてもいいかもしれませんね。
一覧に戻る >

pagetop