キャリアコンサルタントに聞く vol.48
Q:私は転職しどきではないのでしょうか?
事務職です。新卒で入社し3年目になりますが、休日が少なく、残業が多いことから転職を考えています。同期も同じ環境で働いているので、「こんな理由で、私だけ転職するなんて“逃げ”なのでは」と思いますし、友人や家族に相談すると「今転職したら他の人に迷惑をかけてしまうんじゃない?」「辞めるなら早いほうがいいよ」「もうちょっと粘ってみたら?」と、いろんな意見が返ってきます。
愚痴のようになってしまいましたが、こんな私は今はまだ転職しどきではないのでしょうか。
A:最終的には「自分軸」で判断しましょう。
いろいろとお悩みのようですね。
一つひとつの疑問や不安に私なりの考えをお伝えしていきます。
【1】転職理由について
売り手市場が長く続く今、転職者は多くの求人の中から希望の条件を選べるようになっています。
働き方改革によって、残業時間や休日出勤を抑える流れが顕著ですが、自社でそういった動きがない場合は、転職を考える人がいるのは自然なことです。
ひとことでいえば、「休日が少ない/残業が多い」というのは、転職理由として一般的になっているということです。
【2】現職の就業年数について
「石の上にも3年」ということわざは、古くから仕事に臨む姿勢を説く上でよく引用されます。すなわち、どんな仕事でも3年はとにかく辛抱して頑張ってみろ、という考え方です。
人材を選ぶ企業の目から見れば、「3年」はやはりひとつの目安になります。
その仕事で経験がある、スキルを磨いた、実績を上げた、と胸を張って言うためには、最低3年くらいの期間は必要です。これはコツコツ努力する力や忍耐力などの素養の有無を判断する目安ともなります。
実際、最初は辛かったけれど、3年ほど経つと仕事の面白みが分かってきたという人は少なくありません。
しかしご自分の明確な目標があり、それを見据えた上で現職に長くとどまっていても自分のためにならないと判断したなら、3年に満たなくても、次のステージを目指せばいいと思います。
【3】転職しどきについて
転職に関して、周囲の人にアドバイスを求めるのは自然なことです。
ただし、正解を教えてもらうのではなく、「自力で正解にたどり着くためのヒントをもらっているんだ」という気持ちで耳を傾けましょう。
人は自らの経験や知識に基づくアドバイスしかできません。その人がいいと思うこと、正しいと考えることあっても、あなたには当てはまらないかもしれません。いつ、どんな理由で転職するのが正解なのかを決めるのは、あなた自身です。
いかがでしょうか。
最終的には、あらゆることを「自分軸」で判断することが大切だということです。
私たちキャリアコンサルタントも、正解を教える立場ではありません。
ただ、学問として確立されたキャリア理論を踏まえてアドバイスができますし、多くの方の転職をサポートしてきた経験と実績から、より正解に近づけるヒントを提供することができます。
自分軸を持った上で、ぜひご相談ください。
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