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キャリアコンサルタントに聞く vol.43

「引き抜き」での転職に悩んでいます。

Q:「引き抜き」での転職に悩んでいます。

北陸の某メーカーで商品開発の仕事をしています。仕事自体にはやりがいを感じていますが、会社に対しては少々不満があり、特に上下関係での閉塞感が気になっています。モヤモヤとしながらも日々の仕事に追われていたところ、同業他社からウチにこないかという誘いをいただきました。給与条件は驚くほどいいです。ただ、同じ北陸エリアの会社ということもあり、こういうかたちで転職していいものなのか悩んでいます。

A:メリットとリスクを知った上で決断を。

優秀な人材が引き抜かれることは珍しいことではありません。

法律の面でどうかといえば、引き抜きでの転職は違法ではありません。日本では職業選択の自由が法律で保障されています。引き抜きは企業からの個別の転職のお誘いであるだけで、一般的な転職と何ら変わりはありません。

ただ実際に引き抜きの声がかかった場合、質問者さん同様、多くの方が悩みます。

メリットとリスクを知った上でよく考え、後悔のない選択をしましょう。


【引き抜き転職のメリット】

◎年収アップ
質問者さんもおっしゃっているとおり、なんといっても収入アップが最大のメリットです。
他社で働いている人を引き抜こうとする場合は、それ相応の待遇が必要ですから、高い年収が提示される傾向があります。

◎転職活動が不要
普通、転職しようと思ったら、転職エージェントに相談する、自力で探すなどの転職活動を行います。これはと思う企業に出会っても、そこから履歴書を出し面接に挑むわけですから、手間と時間がかかります。
引き抜き転職の場合はこうしたプロセスがないので、話が早いのです。

◎スキル・経験を活かせる
引き抜きは、その人のスキルや能力、実績が評価されてオファーがあるもの。
自分らしさを発揮してキャリアアップできる可能性が高いということです。


こうしてメリットを並べると、引き抜き転職は非常に魅力的で、断る理由はないと思われるかもしれません。
しかしリスクもあります。


【引き抜き転職のリスク】

◎転職前の会社とのトラブル
法的にはOKでも、実際には同業他社への転職はいい顔をされることはありません。退職を申し出る際は慎重に。
当然のことですが、機密情報の流出はNGです。

◎転職先の会社とのトラブル
引き抜き人材に対する企業側の期待は大きいものです。これは嬉しい反面、プレッシャーにもなります。
期待通りの成果を出せれば良いのですが、仕事の進め方などの違いからうまくいかないことがあると、居心地の悪い思いをすることになります。

◎転職先での人間関係のトラブル
あなたが引き抜き人材であることが社内に知られている場合、周囲の見る目は違います。
仕事はできて当然、少しでもミスすると「実はできない人なのでは?」「高い給与をもらっているのに」と非難の対象になりやすいです。


以上のように、引き抜き転職は大きな魅力がある反面、相応の覚悟も必要です。


これはアドバイスですが、今回、引き抜きの打診があったことをきっかけに、他の企業への転職も検討してみてはいかがでしょうか。
一社のみで決めてしまうより、選択肢を広げてみると、より自分に合った会社が見つかるかもしれません。
ぜひ私たちにご相談ください。
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