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キャリアコンサルタントに聞く vol.41

役職定年を機に転職を考えています。

Q:役職定年を機に転職を考えています。

現在53歳。都内の企業で管理部門の課長職を務めています。当社は60歳定年ですが、55歳での役職定年制度が導入されています。人事に確認したところ、私の場合は役職定年により年収は4割程度下がる見通しです。
これでは仕事に対する意欲を保てなくなりますし、大学生の子どもが2人いるので、経済的な面でも不安が大きいです。思い切って転職をしようかと夫婦で相談しています。


A:チャレンジする価値は十分あります。

大企業を中心に導入されている「役職定年」制度。
若い方であれば、何となく聞いたことはあるけれど、どういう制度か知らないかもしれませんね。
企業によって内容は異なりますが、一般的に役職定年とは、役職者が定年前の一定年齢に達したら管理職ポストを離れる仕組みのことを指します。
平たく言えば、「営業部長が55歳を迎えた途端に一営業マンになる」というようなイメージです。

シンクタンクの明治安田生活福祉研究所が実施した『2018 50代・60代の働き方に関する意識と実態』調査では、下記のような興味深い結果が出ています。

□役職定年で4割の人の年収が半分未満にダウン
□役職定年に伴い年収減となった人のうちの6割がモチベーション低下
□定年前正社員の8割が、定年後も働くことを希望
□50代は男女とも7割が、定年後の働き方として「継続雇用」を希望
□完全引退(収入を伴う就労をやめること)をしたくない男女は4人に1人

恐ろしいことに、4割近くの人が年収が役職定年前の「半分以下」になったと回答しています。
年収の低下とともに、モチベーションも低下するのも致し方ないことですね。

質問者さんのようなお悩みは、多くの方が抱えていらっしゃると想像できます。
55歳定年から60歳定年への移行時に生み出された役職定年制度が、65歳定年時代、あるいは人生100年時代を迎えた今も、多くの企業で形を変えずに継続されていること自体が問題だとの指摘も出ています。

役職定年を迎えた後も前向きに仕事を継続するためには、新しく与えられた仕事に意欲的に取り組む、次の世代を支える気持ちでバックアップするなど、気持ちの切り替えが大切です。
しかし、家庭の状況やライフステージと照らし合わせてリスクが大きいなら、質問者さんのように転職を検討するのもひとつの道です。

近年、首都圏の大企業で働いていた方が、役職定年を機に地方にIターン・Uターンし、中小企業の管理職に転職する、というケースが増えています。
高いスキルを持つミドル世代を歓迎する企業は少なくありませんし、年収は現状維持は無理だとしても、十分交渉可能です。何より、ご本人がモチベーション高くイキイキと働ける環境に身を置くことは素晴らしいことだと思います。

50歳からの転職は、若年層の転職とは違い、どんな経営者と一緒に仕事がしたいのか、仕事を通じて自分は何を表現したいのかという視点が重要になってきます。
ぜひ、私たちキャリアコンサルタントにご相談ください。
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