キャリアコンサルタントに聞く vol.39
Q:フリーランスから社員を目指したい。
38歳、フリーランスで広報PRの仕事をしています。
大学を卒業していったんは就職しましたが、独立して10年になります。おかげさまで仕事が途切れることはありませんが、やはりこの年齢になると「企業の安定感」が魅力に映ります。転職が売り手市場の今、良い条件の会社があれば、就職したいと考えています。
転職活動で、フリーランスとしての実績は評価されるのでしょうか。またそもそもフリーランスから社員への転職は可能なのでしょうか。
A:フリーランスの実績・経験は高く評価されます。あとは「転職動機」に注意。
ご質問ありがとうございます。
フリーランスから社員への転職を希望されているのですね。
結論から言えば、フリーランスから社員への転職は十分可能です。
ご心配されている「フリーランスとしての実績」は、転職活動においても評価ポイントとなります。「こんな案件にこういう立場で携わり、こんな提案をし、こんな成果を上げた」など、相手に伝わる形でリスト化しておくといいでしょう。クライアント名を出せると強いですが、秘密保持の関係で社名が明かせない場合は、任された仕事内容だけを書きましょう。
具体的な実績以外にも、フリーランスで培った経験値や能力、視点が評価される場合があります。
たとえば―
・能動的に仕事に取り組む力
・言われた仕事をするのではなく、新しい仕事を仕事を生み出す力
・経営者視点
・実務に役立つ人脈
・顧客とのやりとりで磨かれたコミュニケーション能力
などなど。
これらは、会社員として働いている人では身につけることが難しい要素です。自信を持って転職活動に臨みましょう。
一方で、フリーランスから社員を目指す転職活動では注意すべき点もあります。
それは「転職動機」です。
ご質問者さんの場合、会社員時代を経て独立し、そして再び会社員を目指すことになります。お仕事は順調なものの、将来的なことを考えて安定した職を得たいということですが、
企業の人事担当者に、
「技術や能力が足りないことから仕事が減り、就職を希望するのでは…?」
「組織で働くスタイルが合わず、結局はフリーランスに戻るのでは…?」
などとネガティブな先入観を持たれてしまうのは、非常にもったいないです。
というわけで、転職動機をなるべく前向きに、ポジティブにアピールしたいですね。
具体的には以下のような視点でまとめると有効でしょう。
◎フリーランス時代に培った能力を活かして、貴社でこんな仕事に取り組みたい。
◎企業だからこそ請け負える大型のプロジェクトに携わりたい。
いずれの場合も、あなたの経験や強みをどのように活かせるのかという視点を盛り込むことを忘れないようにしましょう。
転職先へのアプローチは、ぜひ私たちにご相談ください。
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