転職百科

フォーラムキャリア転職百科>派遣から正社員を目指したい。

キャリアコンサルタントに聞く vol.38

派遣から正社員を目指したい。

Q:派遣から正社員を目指したい。

大学を卒業後、約10年派遣で働いています。派遣を選んだ理由は、就職活動で思うような会社に出会えなかったからです。
派遣では、事務職中心にさまざまな職場を体験しましたが、今後は安定した環境で働ける正社員を目指そうと考えています。派遣から正社員を目指すのは難しいと思いますが、押さえておくべきポイントを教えていただけますか。

A:正社員の転職希望者に勝つには、プロのアドバイスが有効です。

ご質問ありがとうございます。

派遣という働き方には、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるメリットがあります。ただし正社員と比較すると、「雇用が安定しない」「ボーナスがない」といったデメリットが存在するのも事実です。そのため正社員を目指したいという方も少なくありません。

当社にもそういった方が相談にいらっしゃいますが、みなさん口を揃えて「派遣の職歴は評価されないですよね」「正社員になるのは難しいですよね」とおっしゃいます。
しかし、派遣で働いていることが正社員への転職で不利になるかといえば、そんなことはありません。

人事担当者が選考をする上で評価するのは「仕事力」と「人間力」です。

「仕事力」については、最近は派遣会社が派遣社員のスキルアップに力を入れているということは、企業もよく知っていますし、派遣社員としての職歴は十分、評価対象となります。
さまざまな業界、職場を体験していることが有利に働くこともあります。

「人間力」については、派遣と正社員の働き方の違いから、
・同じ職場で長く働く意欲はあるか
・幅広い業務を任されることに抵抗はないか
・組織への適応力はあるか
といった点が問われると考えられるので、これらを払拭することを考えましょう。

以下、具体的なアドバイスです。

◆自分のアピールポイントを抽出する
自分のキャリアを振り返り、「派遣だったが正社員と同様の仕事に携わっていた」など、アピールできるポイントを整理しましょう。資格や専門的なスキルがあればそれも強みになります。

◆志望動機を熟考する
「派遣は雇用が不安定だから、給与が安いから」といった受け身の志望動機では不十分です。
「派遣の仕事で培ったスキルを生かし、正社員の立場でこんな活躍をしたい」といった自分の意欲を前面に出すと良いでしょう。

◆職務経歴書を作成する
職歴の空白期間がないことをアピールする意味でも、派遣での職歴はすべて書きましょう。
事務の中でも経理など専門的な分野の知識・経験がある場合は強みになりますし、そうではなく一般的な業務に従事していた場合でも「多様な会社で経験を積んだ」「こういう工夫をして職場に貢献した」というような視点で自己PRすることが可能です。


いかがでしょうか。

派遣から正社員を目指す転職活動では、すでに社員として働いている人たちもライバルになります。そこで勝つためには、職務経歴書の作成ひとつをとっても、私たち転職のプロの視点が有効だと思います。ぜひ、頼ってください。
一覧に戻る >

pagetop