転職百科

フォーラムキャリア転職百科>移住先の選定に悩んでいます。

キャリアコンサルタントに聞く vol.30

移住先の選定に悩んでいます。

Q:移住先の選定に悩んでいます。

東京生まれの東京育ち、都内の大学を卒業してそのまま都内の商社に営業として勤めています。しかし最近、満員電車に揺られてあくせく働くことに疑問を持つようになりました。小さな子どもがいることもあり、自然豊かな地方に移住して、同じ営業で新しい仕事に就き、もう少しのんびり暮らせたらと思っています。ネット情報を参考に移住先を探そうと思っていますが、あまりに選択肢が広くて悩んでいます。

A:「孫ターン」はいかがですか?

質問者さんのように、東京生まれの方が、「ふるさと」を求めて移住するケースは増えています。ただ、他県に父母がいるわけではないので、Uターンという選択はありませんし、「その場所を移住先に選ぶ明確な理由」がないことから、なかなか移住に踏み切れないという人も少なくありません。質問者さんの場合も、あまりに選択肢が広いために、逆に悩んでしまっているのだと推察します。

地方移住には2つのスタイルがあります。

ひとつはいわゆる「田舎暮らし」で、山あいの小さな農村など大自然の中で暮らすイメージです。東京から田舎への移住はそれこそ生活スタイルが一変します。向いている人にとっては魅力的だと思いますが、視点によっては不便でハードルは高いです。転職の面でも、思うような仕事は見つからない、というリスクがあります。

もうひとつは「地方都市暮らし」で、今より小規模な地方都市に移住するというものです。東京在住の方にとっては、大阪や名古屋への移住も該当しますね。大自然に囲まれた田舎暮らしに比べれば、交通インフラや生活関連施設が整っていて生活がしやすいという良さがあります。転職先も比較的見つけやすいということもあり、質問者さんの場合も、県庁所在地クラスの地方都市かその近郊、という移住が現実的な選択かなと思います。

それにしても、全く縁もゆかりもない土地に移住するということは、心理的な障壁が大きいものです。そんなときは「ご縁」を探してみましょう。

質問者さんは東京生まれの東京育ちということですが、奥様の家系も含めて祖父母世代が県外で暮らしているとうケースはないでしょうか。

最近移住に関連して話題になったキーワードに「孫ターン」があります。

Uターンといえば都市部から生まれ故郷に戻ることですが、孫ターンは、質問者さんのように都市に住む若い世代が、祖父母のいる地方に移り住むことを指します。
祖父母が暮らす街というと、人によっては子どもの頃、夏休みになると遊びにきた懐かしい場所、ということもあるでしょう。そうでなくても、親が育った土地ということで自分のルーツを感じやすい場所だと言えます。「あの家のお孫さん」というほどよい距離間の人脈があることが、その地域に自然に溶け込むきっかけにもなるでしょう。最近は「孫ターン推進事業」に取り組む自治体も増えているので、チェックしてみてください。

どうでしょうか、「孫ターン」のようにご縁がある移住先であれば、見知らぬ土地に飛び込むより、不安要素は少ないのではないでしょうか。
もちろん、ご縁があるからということはきっかけのひとつですから、その土地に実際に足を運ぶことが大切です。しっかり下調べし、よく考えてから決断しましょう。そうやって選んだ移住先に、フォーラムキャリアの拠点があれば、新天地での転職をぜひ私たちにサポートさせてください。
一覧に戻る >

pagetop