キャリアコンサルタントに聞く vol.28
Q:短期転職は不利?
東京の大学を卒業後、地元の医療機器メーカーに入社して2年目になります。人間関係がうまくいかず、現在退職手続きを行っています。そろそろ転職活動を始めようと思っているのですが、短期転職に不安を感じています。そもそも勤務年数が1年というのは、転職活動で不利になりますか?
A:退職理由が人事担当者の納得できるものであれば問題ありません。
「大学新卒者の離職率統計」(厚生労働省)を見ると、新卒入社の3人に1人が3年以内に辞めているという実態が分かります。ひと昔前であれば、就職した会社をすぐに辞めることは本人に何か問題があるのではないか、と問題視されましたが、最近は新卒で入社して3年未満で離職する「第二新卒」という言葉が一般的になっているように、短期離職者の存在はポジティブに捉えられているようです。
その背景には景気回復と人手不足があります。労働政策研究・研修機構が全国の企業へ実施した調査では、7割以上の企業が人手不足で、そのうち6割が経営への影響を懸念していると回答しました。人手不足は深刻な問題となっていることがわかります。こうしたことから、第二新卒と呼ばれる人材の採用に積極的な企業も増えています。
さて、ここからは質問者さんの相談内容についてです。
相談者さんが心配しておられるのは、短期離職の場合、転職を希望する企業に「忍耐力がない」「コミュニケーション能力が低い」「アピールできるだけの大した実績がない」と思われるのでは…ということだと思います。
確かにそう受け取る会社も多いと思います。しかし、あくまで会社の採用基準は、「活躍できるポテンシャルがあるか」「一緒に働きたいと思える人物か」です。
すなわち、職務経歴書や面接でアピールしたいポイントは以下のふたつの点です。
(1)退職理由と退職から学んだこと伝える
(2)志望理由を自分の魅力をしっかり伝える
それぞれ詳しく説明しましょう。
【(1)退職理由と退職から学んだこと伝える】
面接時には必ず退職理由を聞かれますが、できるかぎり正直に伝えることをおすすめします。
前回のコラムでも紹介しましたが、職場の人間関係に原因があるのであれば、「原因となった出来事と自分の対処」「対処結果」を客観的に、簡潔に説明しましょう。
【(2)志望理由と自分の魅力をしっかり伝える】
第二新卒を採用する企業側のメリットは、社会人としての基本的なマナーや、働くということに対する意識をすでにもった人材を獲得できるという点です。また期間は短くとも、前職で得た経験やスキルはあなたの強みとなります。アピールできることは自分の中できちんと整理して伝えましょう。
当社には、第二新卒が欲しい、という企業のニーズも多数寄せられています。気軽にご相談ください。
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