キャリアコンサルタントに聞く vol.26
Q:転職希望ですが、「やりたいこと」が分かりません。
富山県在住の25歳営業職サラリーマンです。今の仕事が好きになれず転職を考えています。友人は「今度はやりたいことをした方がいいよ」と言うのですが、実は自分自身、何がやりたいのかよく分かりません。こんな私ですが、ぜひアドバイスお願いします。
A:焦らず、自分を知ることから始めましょう。
キャリアコンサルタントとして、いろんな職業の方に接する機会がありますが、肩書や収入に関わらず、自分がやりたいこと、好きなことを仕事にできている人は、イキイキとしています。本当に幸せなことだと思います。
職を選ぶ観点は、業界、職種、企業規模、年収など人それぞれですが、平成27年の厚生労働省の転職者実態調査によれば、転職者が会社を選んだ理由は「仕事の内容・職種に満足がいくから」の回答が最も多く、約4割を占めています。やはり自分がやりたいと思える仕事であるか否かが重視されているようです。
質問者さんは25歳ということですが、社会人になって約3年経った頃でしょうか。さまざま経験を積み、今のお仕事の面白さも大変さも分かった上で、「自分に合わない」と判断されるのであれば、転職を考えるのもひとつです。新卒入社して3年未満で転職活動を行う人を一般的に「第二新卒」と呼びますが、人材不足が続く今、多くの企業が第二新卒者を積極的に採用しています。
しかしここは肝に銘じておいていただきたいのですが、やりたいことが分からないままでは転職は成功しません。どんな会社に転職しても、3年後にまた「この仕事は好きになれない」と同じことを繰り返すだけです。
やりたいことを見つけるためには、まず自分を知ることが大切です。たとえば、下記の項目について考えてみてください。
◎子どもの頃、好きだったことは?
一説によると人の本質的な部分は20歳までの経験で形成されると言われています。幼少期や学生時代の思い出に、「やりたいこと」のヒントが隠れているかもしれません。
◎友達や同僚と自分の違うところは?
自分の長所や得意なこと、あるいは自分の短所や苦手なことをリストアップして「自分らしさ」を分析してみてください。他の人と比べると分かりやすいです。
◎何に一番お金を使っている?
趣味を聞かれると「特に何も…」と答える方も、何に一番お金を使っているかと聞かれれば、「友人と食事に行く」「近場の旅行」など、自分の好きなことの傾向が分かります。逆に「今自由になるお金があれば何をしたいか」を考えることも有効です。
◎他人から喜ばれて嬉しかった体験は?
いわゆる「成功体験」です。誰かの役に立った時の喜びや満足感が職業選択に繋がっていくことは少なくありません。
いかがでしょうか。こうして自己分析することで、やりたい仕事の方向性が徐々に絞られていくと思います。
繰り返しますが、やりたいことを仕事にできることはとても幸せなことです。ただ、仕事において「やりたいこと」=「できること」とは限らないので、そこは努力も必要ですし、柔軟に考えるべき点もあると思います。
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