キャリアコンサルタントに聞く vol.25
Q:転職に有利な資格は?
鳥取県内で住宅メーカーの営業をしている30歳です。新卒で今の会社に入り、8年勤務しています。会社の将来に不安を感じていて、現在転職を考えています。
営業の経験しかないので、特にアピールできるスキルや資格が何もありません。「転職には資格が有利」と聞くのですが、どういった資格を持っていたら評価されるのでしょうか?
A:資格を取るのであれば、まず、志望する業界や職種を絞りこみましょう。
選考時に有資格者を評価する会社は多いです。しかし、資格が必ずしも転職に有利とは限りません。なぜなら、志望する業界や職種に活かせなければ意味がないからです。
例えば、「日商簿記検定2級」を持つ人が経理職を志望する場合や、「宅地建物取引士」を持つ人が不動産業を志望する場合は、高く評価されるでしょう。しかし「宅地建物取引士」を持った人が経理職を志望する場合、資格取得で身に付けた知識が生かせることも少なく、それほど評価されないように思います。
逆に、本人の希望とは関係なく、入社後、会社側が資格を活かせると判断した他部署に配属されるなど、資格を持っていることが裏目に出るケースもあるので注意しましょう。
これから資格取得を目指すなら、志望する職種に合わせたものを選ぶべきです。あらかじめ転職したい業界や職種を決め、必須となる資格や評価される資格をまずじっくり調べてから計画することをおすすめします。
まだ志望する職種がはっきりしていない段階で資格取得を始めるのであれば、比較的幅広い業界で評価される資格を選びましょう。英語やパソコン、ビジネスマナーといったあらゆる業種で求められるスキルに関する資格は、持っていれば面接時の自己PRにも使えるので重宝しそうです。それでは、代表的な資格を紹介します。
<業界を問わず評価されやすい資格>
□TOEIC・TOEFL
英語スキルを測る試験。会社によって基準は異なるが、中途採用時に評価される点数のラインは、TOEIC600〜800点以上と言われている。
□MOS(Microsoft Office Specialist)
ExcelやWord、PowerPointなどのマイクロソフトオフィスのスキルを証明する資格。
□秘書検定
秘書に必要とされるビジネスマナーや幅広い知識を証明する資格。
□販売士
店舗運営の仕組みやマーケティング、経営計画に関することなど流通・小売業全般の知識・ノウハウを証明する資格。
□サービス接遇検定
サービス業で求められるスタッフの姿勢や心構え、言葉遣いなどを証明する検定。
資格を取るために頑張っていると、「転職の成功」という本来の目標を見失ってしまうことも。資格取得のための期間を、あらかじめ“半年間”“1年以内”などと区切っておくとよいですね。転職活動と資格取得をメリハリつけて行うことが成功への近道です。
専門性の高い資格についても気軽にキャリアコンサルタントに相談してください。これまでサポート実績も多く、業界や業種で「生かせる資格」をご紹介できます。
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