転職百科

フォーラムキャリア転職百科>退職金の充実度は、転職の条件として重要?

キャリアコンサルタントに聞く vol.103

退職金の充実度は、転職の条件として重要?

Q:退職金の充実度は、転職の条件として重要?

地方の中小企業で営業の仕事をしています。30歳です。現在勤めている会社は、年収は周囲と比べてもそこそこ良い方ですが、退職金が非常に少ないです。新卒で入社する際はあまり気にしていませんでしたが、結婚し、子どもが生まれマンションを購入すると、将来のことが気になってきました。転職を考えていることもあり、次は退職金制度が充実している会社を選んだほうがいいのかとも思っています。

A:終身雇用ありきの退職金制度は今、揺れています。

ご質問ありがとうございます。
人生100年時代といわれ、老後資金についてさまざまな議論が交わされているところなので、心配になるお気持ちはよく分かります。

一般的に「退職金」はあって当然というイメージがあるかもしれませんが、実際には退職金制度は法律で定められた制度ではなく、会社ごとに規則を定めるものです。
就業規則に記載がなければ、会社は退職金を支払わなくても違法にはなりませんし、退職金の額は、勤続年数や企業規模、業種、学歴によって大きく異なります。
全体的な傾向としては、大企業ほど退職金制度が整備されています。
ただし退職金が少ない、あるいはない代わりに、給料やインセンティブを高く設定している企業もあります。この場合、「退職金は普段の給料に含まれている」と考えることもできます。
質問者さんがお勤めの会社も、こちらに該当するかもしれませんね。

退職金については昨年末、税制改正の一環で税制の見直しが議論されました。
今の所得税の制度では、退職金を一括で受け取る場合、勤続年数が20年までは、1年につき40万円が退職所得から控除されますが、20年を超えた分は、控除額が1年当たり70万円に引き上げられます。
つまり、同じ会社で長く働くほど税負担が軽くなる、終身雇用を前提とした仕組みとなっているわけです。
これに対し政府は、転職者が増えている今の実態を踏まえ、成長産業に労働移動を促す意味で、税制を見直す方針を示していました。
確かに「本来ならキャリアアップのために転職したいけれど、受け取れる退職金が減るから現職に甘んじる…」というケースは、働く人にとってもハッピーではありませんし、産業全体の活性化も妨げられます。

結果として、2025年度の税制改正では具体的に結論を出すことは見送りになりましたが、今後も注視していきたいところです。

質問にストレートにお答えすることは難しいのですが、大きな潮流として雇用の流動化を促す方向にあり、終身雇用ありきの退職金制度は揺れている、ということを理解していただければと思います。
現在お勤めの会社に退職金制度がない、少ないという場合は、預貯金や積立型保険のほか私的年金制度(iDeCo) やNISAなどで老後に備える方法もあります。
転職を考えるのであれば、退職金制度の有無や充実度だけでなく、キャリアアップなど別の動機にも重きを置きたいところです。ぜひ、私たちコンサルタントにご相談ください。


一覧に戻る >

pagetop